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脳トレ効果に疑問…?

こんな記事を見ました。

「脳トレ」効果に疑問…英で1万人実験
(4月21日12時34分配信 読売新聞)

コンピューターを利用した脳トレーニング(脳トレ)は、健康な人の思考力や記憶などの認知機能を高める効果は期待できないことが、ロンドン大学などの1万人以上を対象にした実験で分かった。」(上記記事より)

まあ、さもありなん…という気はしますね。

私も、「脳トレゲームで確実に向上するのは、そのゲームのスキルだけ」と思ってました。

同様に、かつて「○○力アップ!」みたいなゲームや本がよくありましたが、そもそも「○○力」自体がはっきりした定義の無い言葉だったりして、モノは言いようだなあ、と思ったりしたものでした。
(ところで「○○力」の火付けは、赤瀬川源平さんの「老人力」なのかな?でも、あれ自体そもそもパロディみたいなものですからね…)

…と、やや「脳トレゲーム批判」に同調するようなことを書いてみましたが…実は以下が本論。

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今回の記事の見出しだけ見ると「ゲームが思考力・認知能力向上に役立つ可能性はまったく無い」と理解してしまう人が多いんじゃないでしょうか。

でも、そんなに単純なものではないとも思うのです。

まず、今回の実験は「ゲームそのものに効果があるか」を調べたのではなく、「脳トレゲーム」と「普通のゲーム」を比較したもの なんですよね。

被験者を3つのグループに分け
・「論理的思考力や問題解決能力を高めるゲーム」
・「短期記憶や視空間認知力を高めるゲーム」
・「脳トレとは無関係のゲーム」
をプレイさせて比較したのだそうです。

結果は「認知テストの成績はほとんど向上せず、3グループ間で差がなかった」(上記記事より)

確かにこれで「脳トレゲーム」に特別な力が無いということは、分かりました。

でも、3グループの結果については「ほとんど向上せず」であって「全く向上せず」では無いのですよね?
わずかな改善は、あったということなのでは?

私的には、もうひとつコントロール(対照実験)を追加して欲しかったですね。

・「期間中、ゲームはプレイさせず、その間、テレビの視聴だけをさせた群(単に寝ている、でも可)」

もし、この認知テストの結果が「まったく向上せず」または「低下していた」としたら、ゲームグループには「能力を著しく向上はさせないものの、維持する効果はある」なんて結論になっていたかもしれませんよ。

まあ、あくまでこれは妄想ですが…。

それから、この「脳トレ」というものについて。

ブームの火付け役の川島隆太教授は、もともとゲームとは関係なく
「毎日あるいは最低でも週3日以上、10分から20分ほど継続的に読み・書き・計算を反復学習することによって、非薬物療法として、認知症患者の脳の再活性化を促し、脳機能の改善、回復を促す」(Wikipediaより)

という理論を展開していたわけです。

で、この理論をゲームに持ってきたのが、任天堂の「脳を鍛える大人のDSトレーニング」です。

このゲームって(今さら説明するまでも無いですが)、基本的には、DS上でタッチペンを使って、計算とか漢字書き取りさせるソフトなんですよね。
DS上でのメリットは、次々問題を出してくれることと、結果を自動で記録してくれることくらい。それ以外は別に紙上でやってることと変わりありません。

もし、これに全く効果が無いということであれば、そもそも「10分から20分ほど継続的に読み・書き・計算を反復学習すること」自体に意味が無い可能性が高いということになります。

そうなんですか?
(別に私はそれでも構いませんが)

まあ、認知症患者と健常者では全く違うということなのかもしれませんが…(今回の実験は、健常者を対象にしている)。

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実際のところ、ゲームに限らず、そう簡単に認知能力とか記憶能力が向上する方法なんて無いと、私も思うんですよ。
「脳力」関連は近年、大げさに誇張されすぎて、ニセ科学の領域に踏み込んでいた気がします。

しかし…コンピュータゲームというのは、ある意味無限のツールなわけです。
バーチャルではありますが、様々な体験をシミュレートできます。

漢字書き取りだってできますし、モグラたたき、飛行機の操縦、体を動かすスポーツ、戦略構築、犯罪捜査などなども…。

もし、コンピュータゲームで認知・記憶能力を向上させることが、まったく不可能なのだとしたら…
認知・記憶能力を向上させるような手法やツールは、この世には一切存在しない、ということになりませんかね…?

つまり、認知力・記憶力は、努力ではどうにもならないということ。
生まれつきの差を埋めることは、不可能ということになるのではないかと…。

でも、それではちょっと希望がなさ過ぎるような気はしますね…。

結論(あくまで、当研究所の)

  • 「脳トレゲーム」は「他のゲーム」と比較して、思考力・認知能力向上効果について特に著しい差は無い。
  • しかし、コンピュータゲーム自体の持つ可能性そのものを否定するのは尚早ではないだろうか…
    なぜなら、コンピュータゲームはさまざまな体験を(スポーツでさえも)シミュレートできるわけだから。
  • でも、ゲームで体を動かしたりするくらいなら、実際にスポーツした方が良いに決まってるじゃないか!
  • そりゃあ、夜遅く帰ってきてから外に出かけてスポーツする気力や金(ジム代とか)があれば、ね…。

(2010.4.23)

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