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ラブクラフト映像作品の黒歴史

「狂気の山脈にて」(「ラヴクラフト全集4」収録)が映画化されるかもしれないということですが…

実際、ラブクラフトの作品は、これまでも何度か映像化されてるんですよね。
いくつかは見たことがあります(たいてい大昔なんで、記憶は薄いんですが)。

しかし、それは惨敗の歴史と言っても良いようなもので…。

「ヘルハザード」

原作は「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」。中篇ですが、内容はあまり覚えてないな…。
映画の出来としては、ラブクラフトものの中では悪くないんですが、面白かったかというと、かなり微妙…。
特撮とか、頑張っているのは伝わるんですけどね…。

「フロムビヨンド」

原作タイトルも「彼方より(From Beyond)」なので、素直な邦題です。
原作は「一発ネタ」の短編なのですが、設定など、けっこう好きな作品。

ストーリーもまあまあ原作を踏まえていたと記憶してますが、やっぱ、出てくるクリーチャーがチャチい…。

これこそ、今のCG技術で再現して欲しいですね。
「トワイライトゾーン」等の一話というような形で映像化すると、長さ的にも丁度良いんじゃないかな。

「ヘルダミアン」

原作は「名状しがたきもの」。
英題は「The Unnamable」で、原作タイトルと同じなのに、日本語タイトルは「ヘルダミアン」になっちゃいました(苦笑)。

なんか、面白くも怖くもないという、良いとこ無しの作品だった印象が。
原作の設定も一部使われているものの、これなら別にラブクラフト作品とか言わなくても良いような。
あ、それでも、そう言った方が、少しは「売り」にはなるのかな…

まあ、原作も「一発ネタ」の短編で、個人的にもそれほど思い入れは無いので…。
やはり「トワイライトゾーン」の一話的な扱いでやるのが良い感じかな。

「ダンウィッチの怪 」

原作もタイトルは同じ。
原作は、個人的には大好きな作品です。

ラブクラフト作品の中では、ちょっと派手過ぎの気も(珍しく受けを狙ったきらいも)あるのですが、「コズミック・ホラー」度も高く、盛り上がりもあって、ラブクラフト好きでなくても楽しめる気がします。
その意味では、映像化もしやすい類なんじゃないかとも思いますが…

映画の方は、1970年の作品らしいです。私は、昔、TVでお昼あたり(安い時間帯…)に放送されたヤツを録画して見ました。

ストーリーラインはかなり原作を踏まえていたような記憶がありますが、方向性がなんか違うんですよね…。

で、極めつけは、クリーチャー・「弟」登場シーン!
原作では、なかなか形容しがたい、物凄いものが出現するのですが…
映画で出現したのは…

「バビョ~ン!」

そうとしか形容しようがない。
怖さも迫力も無い、ぬいぐるみのようなものが、バビョ~ンと…。

具体的な形状の記憶は定かではないのですが、TVの前で卒倒しそうになったのだけは記憶に残ってます…。

まあ、1970年じゃ、しかたないのか…。
これこそ、今のCG技術で映画化して欲しいです…。
「兄」の方も、けっこう不気味にできるんじゃないかな…。

「ZOMBIO/死霊のしたたり」

原作は、「死体蘇生者ハーバート・ウエスト」。しかし、スゴい邦題…。「したたり」て(笑)。

ラブクラフト映画としては、一番ウケた作品じゃないでしょうか。続編もあるし。
ホラーとしては、そこそこの出来だと思います。

ただ、個人的には、そんなに思い入れは無いかな。
「ゾンビもの」カテゴリって感じで、ラブクラフトっぽさはあまり無い。
そもそも、原作自体、「書かされた」系の作品で、本人もあまり気に入った仕事では無かったとかいう話だったような。

これが一番ウケたというのは、ちょっと皮肉…。

「ネクロノミカン」

ラブクラフト作品3作をオムニバスで映画化。
見たのは確かなのですが、全然記憶に残ってないです。

ネットで調べたら、「壁の中の鼠」、「冷気」 、 「闇に囁くもの」の映像化だそうで。
「壁の中の鼠」も「冷気」も、面白い作品ではあるけど、ラブクラフトの代表作というわけではないよなあ。なぜこれを映像化したのか。

「闇に囁くもの」は好きな作品ですが、記憶に無いくらいなので、たいした出来ではなかったんだと思う。

「インスマスを覆う影」

原作タイトルも同じ(インスマウスの影)。
これは、映画では無く、日本の「ギミア・ぶれいく」というバラエティ番組の中で放送された、ドラマ作品です。
舞台を日本に変え、主人公は佐野史郎さんが演じていました。

まあ、それくらいアレンジも入った、しかも低予算っぽい(TVドラマですし)作りなのですが…
しかし意外や、個人的には「ラブクラフト映像もの」として、これまで見た中では一番デキが良いのではないかと思ってます。

大筋はちゃんと原作を踏まえていますし、さびれた漁村の陰鬱な感じとか、何かビミョーに気持ちの悪い演出とか、うまく原作にマッチしているように思いました。(日本人だから、感情移入しやすくて良く思えたのかな?)

最後の、写真をパラパラめくっていくと主人公が変貌していく…なんて演出なんかも、なかなか凝っていて良かったです。

Insm
(イメージ画像:インスマス顔の群れ)

(番外編)

「マウス・オブ・マッドネス」
ジョン・カーペンター監督作品。

これは、原作のあるものでは無いのですが、劇中でラブクラフトの作品との関わりをほのめかすような演出がちりばめられており、ラブクラフト作品の世界観の映像化と言っても良いのではないか、とする人もいます。

映画としてもなかなか面白く、個人的には評価は高いです。

でも、ラブクラフトの世界観とは、ちょっと違うかな…。

ラブクラフト作品って、確かにオカルト色もあり、神話や魔術などにも言及しますが、基本的にはむしろSF寄りですよね。
ホラーなのに意外に理論的で、筋道立った話が多いように思います。

その点では、「マウスオブ~」は、ストーリーや世界観にあまり理屈や一貫性が無くて、SFっぽいとは言い難いです。
まあ、そこも悪夢を見ているような感じで、作品としては面白いのですが。

(ちなみに、「死霊のはらわた」なんかも、「ネクロノミコン」が出てきたりして、関連はあるようですが…。まあ、映画業界にもラブクラフト好きは結構いる、ということかな)

…という感じで、なかなかパッとした映像作品が今までに無いので…
(「インスマス」も、「今までの中では良かった」という感じであって…)

もし、「狂気の山脈にて」がマジメに映画化されるのであれば、これはエポックメイクなことだとは思います。

(オマケ)

「クトゥルフの呼び声」というテーブルトークRPGがあって、昔、何度かマスターをやったことがあったのですが、
「あんたのシナリオは、プレイヤーが死なない(または発狂して脱落しない)から、物足りん!」
と言われてました(笑)。

だって、途中で参加できなくなった人がいたら、可哀そうじゃん…。
…なんて、普通のゲームバランスは、クトゥルフでは通用しないのですね。

やはりラブクラフト、一筋縄ではいかんな(笑)。

(2010.9.18)

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