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ゲーム革命

NHKで先週放送された「世界ゲーム革命」を、録画でやっと見ました。

まあ、いろんな意味で面白かったです。

一応、ゲーム業界の末端の人間の感想を…。

番組自体に、大きな間違いやウソは無いと思いましたが、なんか、演出が怖かったですね。

やけに深刻なナレーションに、重々しいBGM。
最新鋭の生々しいFPSの画面や、脳改造受けてるような研究所、トリガーハッピーな感じのゲームテスター青年。

この番組の演出家は、ゲーム業界を、よほどオドロオドロしいもののように見せたかったのでしょうか?
ちょっと、悪意すら感じてしまいました。

いや、確かに、ああいう世界もあるんでしょうけど、必ずしもそれが一般的な業界の世界観かというと、そうではないような気がします。

大抵の業界従事者たち(中小ソフトメーカーは言うに及ばず、そこそこ大きなメーカーですら)は、他の業界と変わらず、日々のスケジュールや明日の金策に追われてヒーヒー言っている…それが現実じゃないかと(夢が無い話だけど…)。

ゲーム業界もリーマンショック禍を避けられるはずも無く、ここ数年来特に厳しい状況を実感してます。水口さんや日野さんの住むような、あんな華やかな世界は、多分ほんの一部ですよ。

ゲームテスターだって、あんな変な人ばかりじゃないですよ。つい最近仕事したデバッグチームの方は、とても折り目正しい生真面目な人でした。

あと、「ゲーム革命」の番組名を冠するほど「革命」の感じはしませんでしたね。
ゲームの製作費が膨らんで、ハリウッド化し始めたのは、昨今の話では無いですし。

まあ、確かに、日本のゲーム制作現場は、いまだに「気合と根性」「職人芸」成分が多い感もあるので、そこはもう少し割り切ってシステマチックにやっていかないと、儲からないだろうなあという気はしますけどね(←お前が言うな、と知人には怒られそうなコメント)。

革命という意味では、今、もっと違う波が業界には来ているようですよ。

番組で扱われていた話題は、主にコンシューマーゲーム(家庭用ビデオゲーム)が中心でした。
でも、このコンシューマーゲームは、今や危機的状況ともいえるのです。

ひとつには、iPhoneアプリやアンドロイドアプリ、PCのFlashアプリなどに、結構楽しめるものが増えてきて、価格破壊が起こっていること。

そこそこ遊べるゲームが、iTunesストアなどで、\300とかで売られているわけですよ。
これじゃ、そのうち\6000以上も出してゲーム買うのがバカバカしくなっても不思議は無いです。

もうひとつは、FaceBookやmixi、携帯電話アプリなどで、ソーシャルゲームがメジャーになっていること。
こちらは、イニシャルは無料なものが多いですが、アイテムなどの課金でこまめに儲けるシステム。
一つ一つは安いので、気軽にポチポチ購入していると、いつの間にかけっこうな額を使ってしまうという仕組み。
これもメーカーには美味しい。

自分は、主にコンシューマーゲーム畑の人間なもので、こういう波が起こっているのを身近に感じて、むしろ戦々恐々としているのです。(まじめに、そろそろ鞍替えすべきなんではないかという気すらしている…)

この波が本当に大きければ、これまでの帝国だった任天堂やソニー(まあMSは関係ないだろうけど)などのハードメーカーも、飲み込まれて水没してしまう可能性だってあるわけで。

これこそが「革命」なんじゃないですかね。

「世界ゲーム革命」再放送は12/20(月)の深夜0時15分からだそうです。

Gamet
(「ひとりゲーム革命(?)」、イタチョコシステム・ラショウさん謹製ゲームTシャツ。
まあ、最近は舞踏に忙しくて、ゲームは作ってないようですけど…)

(2010.12.16)

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コメント

一つ思い違いがあるようなので。

> ゲームの製作費が膨らんで、ハリウッド化し始めたのは、昨今の話では無いですし。

番組で紹介されていたのは、単純にゲーム業界のハリウッド化していることではありません。
重要だったのは、
「HAVOCなどのゲームエンジンが登場したおかげで、これまでゲームを開発するために必要不可欠だったプログラミングできる人材とそのための時間が不要になったこと」
です。
これは「革命」と呼ぶべき事象だと考えても差し支えないでしょう。
そこで必要とされる人材だけを見れば、ハリウッド化に見えるかもしれません。
PCゲームの世界では、MODと呼ばれる改造データで個人が似たようなことを既にやっているということまで紹介してもらえればパーフェクトだったかもしれません。

個人的には、Kinectの動作の技術的説明とスピルバーグが興味を示しているという情報が興味深かったですね。
Kinectのことを「新型ゲーム機」と呼んでるのには苦笑を禁じえませんでしたが。

投稿: 深井 | 2010年12月16日 (木) 23時51分

ゲームエンジンの件も語られてましたね。
番組全体としての比重はそれほど高く無かったようですが。

アメリカでは、もうエンジンを使うのが普通なんですかね。(番組の口調ではそんな感じでしたが)
エンジンという思想も、DOOMのころから既にあったので、今さらという感もありました。
ただ実際、日本では今に至ってもあまりエンジン普及して無さそう。(少なくとも自分の周りでは)
効率で海外に負けても、当然という気はしますね。
(それとも、シェアで日本が逆転されたことが「革命」なのかな…)

ちょっと見直したら、冒頭で
「もはやゲームは子供の遊びではない。娯楽の王座の地位を映画から奪おうとしている」
とか言ってました。
なんか、その感覚もちょっと今更な気がします。

ゲーム自体もすでに娯楽の王座から転落してるんじゃないかとも思えるんですが…。
(今やSNSとかが娯楽の王者なのでは…)

投稿: 適研所長 | 2010年12月17日 (金) 23時21分

日本ローカルだと、娯楽の王座はケータイに奪われて久しいですな。

アメリカローカルだと、テレビは強すぎる放送コードのおかげでふるわず、ケータイもiPhoneが出るまでは主に通話とメールに使われ、そのおかげで映画が娯楽の王座に留まっていたわけです。
その映画の売り上げをゲームがようやく追い越した、というのはまー大事件なんではないかと。

なんで日本の放送局のNHKがアメリカローカル視点の番組を作るのだ、という苦情はNHKに言ってください。

投稿: 深井 | 2010年12月19日 (日) 02時08分

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