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ナキムシ伝説

私の祖父母の家は、農家でした。

私が子供の頃は養蚕なんかもやっていて、カイコを見せてくれたり、虫好きの私のためにカイコを数匹わけてくれたりしました。(私はそれを育てて、成虫(カイコガ)にしたりしました。)

そんな子供の頃、祖父から聞いた、今でもちょっと不思議に思う話があります。

カイコの餌である桑の葉に、時々赤いダニがいたりすることがあります。
(種類は特定できないのですが、ハダニよりやや大きめだったと記憶してます。タカラダニか、そのあたりの大きさの感じでした。)

Dani01
(これはアカケダニかな。コレよりは小さ目のやつだったと思う)

方言なのか何なのか、祖父は色々な昆虫を独自の呼び方で呼んでいました。

カブトムシ → ツノムシ(角があるから)
クワガタ  → オニムシ(二本の角があるから)
ムラサキイラガ幼虫 →カメムシ(亀のような形だから?じゃ、本当のカメムシは?)

そして、祖父は、その赤いダニを「ナキムシ」と呼んでいました。
(祖父はそれをダニと認識していたかどうかもよくわかりません)

桑の葉にいる赤いダニが、なぜナキムシなんでしょうか。

祖父はこんな話をしてくれました。

「指に唾(ツバ)を付けて、葉っぱにいるこのムシの周りを、囲むんだよ。
 そうすると、このムシは、囲まれたツバの輪から出られなくなる。
 そのうち、ムシは困って、泣き出すんだ

エエッ!?

当時(小学生頃か)も、そこそこ虫に詳しかった自分は、この赤いムシはダニの一種だとわかっていました。
だから、ダニが鳴くなんて話は、とても奇妙に思われました。
しかも、祖父の話では「鳴く」のではなく、「泣く(エ~ン、エ~ンという感じ?)」というニュアンスに取れました。

Nakimusi
(想像図…)

これは怖い…。

実際、赤いダニをツバで囲むと、確かにその輪から出られなくなりました。
(それだけでも、当時は面白いなあと思ったものでした)

しかし、当たり前の話、泣き出したりはしない。
その時も半信半疑ながら、「まあ、たまには泣くこともあるのかもしれない」くらいに思っていた気がします。

その後も何度か、葉っぱの上にナキムシがいるのを見つけると、試したりしました。
結果は同じで、とうとうナキムシが「泣く」所を見ることは一度もありませんでした。

結局、この話は何だったのか…。いまだに謎です。
もし他に、同じような伝説を聞いたことのある方がいたら、ぜひ教えて欲しいくらいです。

まあ、今となっては、ダニが泣くなんて話はあり得ないと思っていますが…
(そもそも、こんな話を聞いたこと自体が、夢だったのかもしれないと思うくらい…)

ただ、そんな突拍子もない話が、「遠野物語」等の伝承の感じにも似ているような気がして、今となっては(真偽はともかく)貴重な体験だったと思っています。

祖父は、もうだいぶ前に他界してしまいました。
ごく最近、祖母が他界し(100歳近くの大往生でした)、今さらながら、もっと祖父母から、こういう話を色々聞いておくべきだったなあ、と思い出したのでした。

(2010.12.10)

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