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マックスウェルの不思議なノート

少し前に、こんなゲームをプレイしました。

ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート」(2011.1.27発売)

(地震の話題のため、ちょっと放置してしまって、今更という感じになってしまいましたが…)

日本での発売元はコナミですが、元々はアメリカの「5th Cell」という会社が開発した洋ゲーのようです。
(なんか聞いたことのある社名と思ったら…「ロックス・クエスト」を作ったところなのか…これもなかなか良作。)

ちなみに原題は「Scribblenauts」。直訳すると「落書き航海士」みたいな意味合いですが、多分「Scribble Note(落書き帳)」とのダジャレなんでしょう。

一応、ゲームの内容を説明すると…
ステージクリアタイプのゲームで、各ステージの「☆」を取ればクリアなのですが、様々な障害や謎がそれを阻みます。
それを解決するために、メモ帳に「モノの名前」を書くと、書いたものは実体化して、それで障害や謎を解決することができる…といった感じです。
分類すると、一種のアドベンチャーゲームと言えるでしょう。

ウリは、そのメモ帳に書けるモノの語彙が、意味不明なほど多いという所。

普通に、「はしご」や「スコップ」、「ふうせん」「くさり(鎖)」などの道具から、「ティラノサウルス」「ゾンビ」「せんすいかん」など、動物や乗り物まで、想像できる範囲の名詞であれば、(偏りはあるものの)たいていは出現します。
出現したものは、それらしい挙動をし、その用途で使用できます。
(はしごに登ったり、スコップで穴を掘ったり、鎖で物をつないで引っ張ったり、せんすいかんでミサイルを撃ったり、ティラノサウルスに食われたり…など)

海外での評価は高いようで、レビューで10点満点の評価が出たり、100万本ヒットしたりしているそうです。

実際、プレイしてみて、凄いソフトだと思いました。
その物量も凄いですが、その世界の物理法則がきっちり構築されているところがまた凄い。
普通のアドベンチャーゲームとは違い、出現する物体は、1つの用途をこなすための単なる「フラグ」というような作りでは無く、それぞれにそれらしいパラメータが盛り込まれていて、その世界でそれらしい挙動を取るのです。
(う~ん、説明しにくいけど…例えば、「木の橋」は置いて川を渡る道具にできるだけでなく、空に置こうとすれば落下するし、水に落とせば浮くし、蹴飛ばせば飛んでいくし、火に近づけると燃えるし…など…。本来の目的と違う使い方をして問題を解決もできる)

まあ、世界の物理法則を決めているのは、膨大なアイテムを実現するのに不可避な方法だったのかもしれませんが…

とにかく、開発者の方々の才能と労力には感服します。
裏を返せば、こんな気の遠くなるような仕事、自分ならしたくない(苦笑)。

と、まあ、これだけ書いてほめて終わっても良いんですが…

ここまで凄いこのゲームの、ビミューな側面にも触れてみたいと思います。
(あくまで、凄くて良いゲームであることは前提の話ですよ)

まず、日本での売れ行き。
Amazonのレビューを見ると、評価は4点(5点満点中)(2011.3.10現在)で、良い感じですが、レビュー数自体は10件しかない。
こんな凄いゲームだけど、ほとんどの人は存在を知らないんじゃないかと。

私は、人から教えてもらって知ったのですが、それが無ければその存在に気づかなかったと思います。CMもやっていなかった気が。少なくとも私は見てません。
どんな面白いゲームでも、知らないことには、欲しがりようがありません。

それに、シリーズものでもないし、パッケ裏を見ても(新しいシステムなので)内容がパッとイメージしにくいし。店頭で見ても気になったかどうか。
ちょっともったいない気はしますね。

それから、ゲーム内容そのものにも、ちょっと疑義を呈したい部分も。

話を聞くと「凄い」「面白そう」という気になりますし、実際プレイしたら人に話したくなる良いゲームで、twitterなどの口コミ的にも話題性のあるゲームと思うのですが…

ゲームを続けていくと、徐々に疑念が…。

一つには、「色々な方法で解ける・正解が無限にある」…というのが、意外にカタルシスを感じられないのです。

こんなんで良いのかな…というような手で、ごり押しで解決できたりするもんだから、解決して釈然としないことも。

片や、解き方のわからないステージは、本当に、皆目見当がつかない。
普通のアドベンチャーでは、こういう場合、総当たりで解決したりするものですが、アイテムが無限にあるものだから、それも不可能…。
(「きょだいなひびわれたきのはし」とか、形容詞のついたものまであるけど、そんなの絶対思いつけないって)

それから、ちゃんと構築されている物理法則なのですが、あくまでゲーム内での法則なので、それに戸惑わされることも多々あります。
例えば、
・オオカミをやっつけたくて出したライオンが負ける
・石を引っ張ろうと鎖をつけたら、鎖の重みに負けて石が転げ落ちる(石の方が絶対重く見える!)
・川に橋をかけてキリンを渡らせようとしたら、キリンが必ずその橋を蹴っ飛ばして川に落下する
・卵を火にかけると孵化する
・地獄に落ちた人に「聖水」を上げると、空に飛んでいく(シュールな光景だった…)

加えて、タッチ操作が曲者で、タッチしている場所の微妙なミスで、思わぬ挙動になったしまう事もあったり(ヘリが救助すべき人の真上に落下して死んでしまったり…)

こういう所もおおらかに笑って許せる、度量の広い方にはむしろ楽しいのかなと思いますけど…。

現実的に考えれば既に解法がわかっているのに、ゲーム内法則や操作ミスでなかなか解決できないなんてことがあると、個人的には微妙にストレスがたまりますね…。

あとは、ゲーム構造そのものの好みもありますね。

パズルゲームチックな鍵開け面クリア式は、気軽に遊べて良いんですが、ストーリー性が無いので、牽引力に弱い。
好きな時に始められ、好きな時にやめられる手軽さは、逆に、ゲームを進めようとするテンションを今一つ上げてくれないのです。

考えてみると、こういう自由度の高さと、それに付随するアバウトさって、良くも悪くも「洋ゲー」テイストだなあと感じました。(スマホで人気のアングリーバードなんかも、こういうアバウトさがある。ステージ構成も似てますし)
そしてどうやら、こういうゲームは、あまり日本人向けでは無いのかなという気もしました。

「日本人」と言うと語弊があるかもしれませんが、少なくとも自分は、自由度の多さよりも正解/不正解がハッキリしているゲームの方が好みなのかもしれない、とも。
(私的には、その直前にプレイした「逆転検事2」の方がハマれました。シナリオの出来とか、やや難もありとも思うのですが…それでも。)

そんなことから類推すると、これから世界を相手にしなければならない日本のゲーム業界(というより私の嗜好)って「ガラケー」ならぬ「ガラゲー」に陥っているのじゃないかという懸念も感じました。
もっと、視野を広げないといけないかもしれませんね。

でも…やっぱり自分で面白いと思えるものでないと、作ってて楽しくないですよねえ…。難しい問題です。

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(おまけ)

1.攻略法について
ネットで、あまりちゃんとした攻略記事が見つからない。
あまりプレイされてないのか…とか思い、進めてていたパズルモードで、途中から解法を記録してました。
なんなら、中途半端攻略記事でも書いて、誰かのお役にたてばいいなと思って。

ところがその後、公式ページに「カイケツボット」というのがあって、それでヒントを教えてくれるというのに気づきました。

なるほど、こんなのがあるから、攻略記事も必要ないのね。

ちなみに、日本語入力が面倒なので、英語のわかるものは英語で入れてるんですけど、
・Chain(鎖)
・wing(はね)
・はしごのはし
・Dragon(ドラゴン)

あたりが便利に使えてます。
特に、Chainは便利。なんでもくっつけ引っ張ってます。
あと、敵がいたらなんでもDragonに食わせている。

2.モンスター
語彙も豊富なんですが、けっこうマニアックなものを実体化させられるのもおもしろいです。
特にモンスター関連が、不必要なほど豊富。
ちょっと調べてみたら
・ウロボロス
・ベヒーモス
・バジリスク(=コカトリス)
・クラーケン
・リバイアサン
・グレムリン
・ワイバーン(=絵はドラゴン)
・りゅう(日本の龍)
・グール
・スケルトンウォーリアー
・ドッペルゲンガー
・メガロドン

とか、何に使うんだというのがゴロゴロ。
絵柄もわりとそれらしいのが当てられています。

中には、ちゃんと特徴付けされているものも。
例えば、吸血鬼がいる所に太陽を出すと死ぬとか、人間が狼男に攻撃されると、それも狼男に変身してしまうとか。
スゴイよ…。

(2011.3.21)

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