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誇る文豪、田山花袋

群馬DC、応援中!(ホントか?)

少し前、群馬県館林市にある、「田山花袋記念文学館」という所に行ってきました。
(実は、「ハスの里」に行ったのと同じ日。館林と行田はわりと近い。)

Museum01

田山花袋とは…
群馬県館林市出身の、明治時代に活躍した小説家。
国語の教科書などでも、普通に出てきますね。

Katai01
(ハリセンボン春菜じゃねーよ)

「上毛かるた」でも、

(ほ)「誇る文豪、田山花袋」

と読まれている、群馬を代表する作家です。
(もっとも、花袋の生まれた頃、館林は栃木県だったらしいですが…)

代表作は「蒲団」「田舎教師」。
日本における自然主義文学の開祖とも言われています。

…なんて、知ったような事を書いてますが…
私も、この田山花袋という人について、小学生の時、上毛かるたで名前を知ったのと、中学生くらいの時に、国語で代表作名を知ったくらいで、最近になるまで、その著作を読んだことはありませんでした。

つい去年、ipodTouchの青空文庫で無料で読めることを知り、せっかくなので読んでみたのです。

度肝を抜かれました…。

ネタバレになりますが、構わずどんな話なのか要約すると…

「なんか、ウジウジした妻子持ちの作家(主人公)が、弟子入りしてきた女学生に惚れて、どーにかしたいと心の中で煩悶しているだけで何もせず、結局、女学生には若い男ができて去ってしまい、彼女の使っていた「蒲団」に顔をうずめてさめざめと泣く」

という話…。
なんじゃそれ!?

しかも、この話、主人公のモデルは田山花袋本人で、女学生もその彼氏も実在した人物だという。
実際にあった話をほぼそのままリアルに書いたものらしいです。
これが「自然主義」…。

誇る文豪ォォ!? 
これでいいのか、文豪。
文豪っていったい…??

でも、この衝撃と脱力感によって、この作品、かなり私の心に深く刻み込まれました。

それまで当時の文壇ではイマイチパッとしなかった存在だった田山花袋は、この作品によって一躍「文豪」の座に踊り出たのです。
当時の読者にとって、この赤裸々な描写はかなり衝撃的だったんですね。

で、そこから日本で「自然主義」というのが、流行し始めたという事です。
日本文学界にとっては、記念碑的作品なんですね。

もっとも、この日本の「自然主義」というのは、もともとヨーロッパにあったものから、かなり変容してしまったようです。

自然主義文学」(Wikipedia)

「自然の事実を観察し、「真実」を描くために、あらゆる美化を否定する。チャールズ・ダーウィンの進化論やクロード・ベルナール著『実験医学序説』の影響を受け、実験的展開を持つ小説のなかに、自然とその法則の作用、遺伝と社会環境の因果律の影響下にある人間を描き見出そうとする。」
「しかし、『蒲団』の衝撃は大きく、これによって自然主義とは現実を赤裸々に描くものと解釈され、ゾラの小説に見られた客観性や構成力は失われ、変質してしまった。」(ともに上記から引用)

田山花袋先生が、「間違った自然主義」を日本で流行らせてしまったんですね…。文豪~。
まあ、でも、これはこれでいいんじゃないか、とも思いますけどね。
ヨーロッパの自然主義よりは、一般受けしそうだし。

田山花袋は多くの小説を残した一方で、紀行文(当時の旅行ガイド)なども書いていたようです。
たまたま「記念文学館」では、「花袋の愛した群馬の温泉」という企画展をやっていました。
群馬の名湯を全国に紹介したこのシリーズは、当時大ヒットしたらしいです。

ところで…この「蒲団」を読んだ時、ちょっと思い出したものがありました。

ひとつは、「めぞん一刻」の五代君。

あの内にこもってウジウジした性格や、妄想たくましい部分が、ちょっと「蒲団」の主人公と通じるものがあるような。
でも、五代君の方が、ぜんぜん行動力あるよなあ。
最終的にはハッピーエンドだし。

あと、もう一つ、同じ小説ながらまったく違うジャンルの…

SF小説「ゲイトウエイ」
(フレデリック・ポール)

「蒲団」以前に読んだものですが、これも意外性と脱力感に度肝を抜かれた作品でした…。

裏表紙のあらすじを読んだ時には、「ゲイトウェイ」で宇宙を駆け回るようなスぺオペ作品かと思いきや…
怠惰な毎日にふけりつつ「明日は行かなきゃ、行かなきゃ」と思っているだけで、ぜんぜんゲイトウェイに行かない主人公…。このウジウジ感がすごく「蒲団」と似ているなあと。(…と思うのは私だけ?)

しかし、この作品も蒲団同様、一周まわって、心に残る作品になりました。
時々、日常会話で「今日はゲイトウェイしてるなあ」なんて使うようになったくらい(笑)。

ということで、「蒲団」おススメです(笑)。
流石に「デスティネーション」とはいえ、「記念文学館」まで来る県外の人は、そうはいないと思いますけど…。

でも、館林付近※では「なまずの天ぷら」も食べられますよ。
美味しいです!

Namazuya

Namazu_tei01

(なまず天。クチボソのつくだ煮も付いてました。)

Raiden01
(なまず屋は、この雷電神社の近く)

Raiden_namazu
(大ナマズ)

Raiden02
(雷電の手形と、ナマズの絵。ナマズかわいい)

(2011.8.5)

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(追記)厳密には、ナマズ天や雷電神社は館林ではなく板倉でした…。本文微修正しました。(2011.8.20)
 

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コメント

「なまずの天ぷら」のお店がでているのに、二の鳥居から社殿景観というオーソドックスな画を載せないなんて、シュール〜^o^
あとささいなことに雷電さんは板倉だったりします。

投稿: ほそだ | 2011年8月19日 (金) 20時12分

いや、もちろん、二の鳥居からの社殿の写真も撮ったんですが、内容がてんこ盛りになっちゃったんで、割愛しました。

それよりも、雷電神社は厳密には板倉だったんですね、ひゃー、大間違い。最寄だったんで、混同してしまいました。訂正しておきます…。

投稿: 適研所長 | 2011年8月20日 (土) 22時36分

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