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電力会社

また月々ボードゲームの会に参加させてもらいました。

今回はレギュラーの、ローカルな会の方。

月々ゲームのことを、逐一ここに書くつもりもないのですが…
今回はちょっとネタとして面白いものをプレイできたので、書いてみます。

(今回も、持ち主の方にプレイさせていただいた形です。ありがとうございます…。)

プレイしたゲームは…

[ POWER GRID 電力会社 ]

2004年発売の、ドイツのボードゲーム。
Wikipediaによると、販売元はアメリカの会社と書いてあるが、作者がドイツ人だし、ドイツ製のゲームということになると思う)

かなり有名なゲームです。
すでに名前は知っていました。というか、後で自分の履歴メモを見たところ、数年前に一度プレイしたことがあったようです…(すっかり忘れてました)。

Pg01_640
(クリックで拡大)

↑プレイ中の様子。
マップは表裏でアメリカとドイツの2つを楽しめます。

遊び方に関しては、また簡単に。
(詳しくは、ネット検索すればどこかで見つかると思います)。

各プレイヤー(今回は6人でプレイ)は、電力会社の経営者となります。
発電所を運営し、マップ上の街を取得し※、電力網を敷き、電力供給していきます。
より多くの電力網を運営できた人が勝ち…というようなゲームです。

※正確には、マップ上の街ポイントに、家型のコマを置く。ゲーム中は「街造り」と言ってましたが、設定的には街のインフラを整備すると言うイメージですかね。

Pg02

まずは、発電所を競ります。
自分の戦略に合った発電所をなるべく安い値で買いたいのですが、競りなので一番高い値を付けた人の所有になります。みんなが欲しがるものは、値が上がるのが必然。

発電所にはいろいろな種類があって、徐々に値段は高いが効率の良い施設が買えるようになります。

Pg03

発電所を動かすには、燃料が必要です。各施設に必要分の燃料が無いと発電できません。

燃料も需要によって値付けされるので、みんなが多く使う燃料は高くなります。(リアルですね)
序盤は石炭が安くて買いやすいのですが、みんながそれを使うようになると、どんどん値上がってきて、核燃料の方が安くなる、なんてことも起こります。

ラウンドの最後には、マップ上の街の位置に、コマを置きます。

コマを置くには条件があります。
二つの街の間の電力ラインのコストと、コマを置くコストの両方が払え、かつ、置いたときに繋がった町の両方に自分のコマがないといけません。

最後に、発電所から必要な分だけ燃料を取り除いて発電し、供給できた分の収入を得ます。発電できても街が無いと収入が入らないし、逆に街が多くても供給できないと収入は入りません。
発電所の競りも、燃料も、街を置くにもお金がかかるので、ここの按配がかなり重要です。

こんな感じで進めて、最初に規定数以上のコマをマップに置き、その全てに電力供給できた人が勝利です。(大雑把には)

プレイ時間はかかりますね。6人プレイで2~3時間というところか(ボードゲームとしてはそれほど長いわけじゃないですが)。
アメリカとドイツのマップで計2回弱(2回目は途中で終了)プレイしました。

結果は、2回とも惨敗(ビリの方が近い)…。
でも、あまり勝ちにこだわらず、楽しめれば良いという方なので、ゲーム自体は面白かったです。

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で、わざわざ記事にしたのは、ゲームが面白かったこともありますが…。

今のご時勢的に興味深いテーマを扱っているゲームだな、と思って。(電力会社、といえばピンと来ますよね)

まあ、このゲーム自体は2004年発売のものですし、今回これをプレイしたのも、たまたまだったのですが。

このゲームを見ると、発売元のアメリカ(もしくは作者の方)の、発電というものに対する見方というものが感じられて、面白いです。

まず、電力会社の覇権争い、というのは、アメリカやドイツでは普通にあり得る話なんですかね? アメリカではかなり自由化されているとは聞きますが(それ故に、大停電が起こったこともあるらしい)。

日本では、あまり自由ではないですし、そもそも一部国有化されてしまった(…)現状では、この設定は少し現実にそぐわないですね…。(といいつつ、日本マップ版も出ているらしいですが)

でも最近、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が施行され、ソフトバンクなんかも参入してきてるので、ちょっと違った形での覇権争いはあり得るのかも?

あと、発電所に対するパラメータ付けが興味深い。

初期に関していえば、石炭・石油の火力発電が、建設コストも一番安く、燃料費も安い。

次いで、ゴミ(リサイクル)火力発電。この発電所が取り入れられているのは、ドイツっぽい感じがしますね。

逆に、日本でメジャーな、水力発電が無い。ヨーロッパには少ないのか…?

その代わり、風力発電が取り入れられています。ヨーロッパでは大々的に取り入れられていると聞きますね。それにエコだし、ヨーロッパっぽい。

風力発電には、燃料がいらないというのも肝です。
ゲーム中でもけっこう勝敗の鍵を握ったりします。

風力発電と言いましたが、レベルアップしたカードを見ると、ソーラーパネルらしいものが書き込まれています。大くくりに、再生可能エネルギーというかエコ発電というカテゴリなのかも。

Pg04

もっとも、個人的にはこの発電のパラメータ付けは、評価され過ぎな気はしますが。
同じクラスの火力発電などに比べて引けをとらないパワーをたたき出すんですが、現実はそんなに効率良くなかろうと。天候なんかにも左右されますし、そこまで頼りにならない気がする。

そして、もうひとつゲームの鍵を握るのが、原子力発電。

さすが原子力。建造コストは高めですが、少ない燃料で大電力を賄います。現実に即してますね。
燃料の供給量が少ないので、他のプレイヤーとかち合っちゃうと厳しいですが、うまく回ればかなり安定します。

ちょっと興味深いと思ったのが…

このゲームが作られたのが2004年の時点だったからか、またはゲームという割り切りなのか、原発が特に違和感無く「高性能なもの」としてゲームに取り入れられています。(すでにチェルノブイリもほとぼりが冷めていたでしょうし)

今、こういうゲームを思いついたとしたら(多分、日本でなくても)、原発をゲームに取り入れる場合(取り入れない可能性すらありますが)、もう少しパラメータ付けを変えたでしょうね。
例えば、何らかのリスクやペナルティのパラメータ付けするとか。

いや、他の発電だってリスクが全く無いわけじゃないんですが…
ボードゲームは特に、現実の社会や歴史、地理などをシミュレートするものが多いので、ルール付けも、その時点の作者の思想や世相が反映されやすいと思います。
そう考えてこのゲームを見ると、別の面白さがありますね。

さらに、このゲームでは究極の発電施設があります。

Pg05

これ、マニュアルを見るとどうやら「核融合発電所」らしいです。(ゲーム中は「謎発電」と呼んでましたが…)

しかし、すごいテキトーなビジュアルイメージ…。

でも、燃料無し(コスト0)で大電力を生み出すもの、という設定は、まあ現実に即してますね(完成すればの話ですが)。

このパラメータ設定を見ても、この作者の方は、核融合発電をある程度現実的に見ているんじゃないですかね。(このカード自体、ネタなのかもしれませんが…)

こういう見方をしても楽しめるゲームでした。

(2012.7.13)

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