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四葉のクローバー

今年の夏の初め頃の話ですが…。

行きつけの憩いの場所「群馬の森」。

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(クリックで拡大)

確かこの日は、ここにある県立近代美術館に、「群馬青年ビエンナーレ2012」を見に行ったのだったと思います。

その帰り道、群馬の森の芝生の広場を歩いていると、カミサンが、
「あ、四葉のクローバー!」

カミサンは、常々、四葉のクローバーを見つける才能があると自称してました。いうだけのことはある。

見てみると…。

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おお、本当だ!
久しぶりに、四葉のクローバー見ましたよ。

と、思っていると…ん!?

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あちらにも、こちらにも、四葉が!
↑この写真でも、少なくとも四つの四葉が見えます。

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さらに、五つ葉も!

ざっと探すだけで、10本くらい四葉、五葉を見つけられました。
(この周囲だけ。ちょっと離れた場所では、全然見つかりませんでした)

なんか、四葉のクローバーも、これだけたくさんあると、ありがたみはないですねえ。

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ふと思ったのが…
これを見て、「この異常な四葉の数は、放射線のせいじゃないか?」とか言い出す人がいないか、ちょっと心配に。
(異常な植物などを見つけると、心配する風潮が一部にあるようなので…)

四葉の群生って、昔から稀にはありますね。
子どもの頃にも、四葉、五つ葉、六つ葉が同じところに生えているのを見たことがあります。

そもそも、「放射線で突然変異」って、よく関連付けられていますが、実際に自然界で、放射線によって形態の変わる突然変異(表現型の変異)を起こしたと証明された例って、ほとんど無いのではないかと思いますが…。

もともと、放射線による突然変異を発見したのは、ハーマン・J・マラーという科学者だそうですが、この時の実験で使われたショウジョウバエは…

「現在ではDNAの修復活動は人間の細胞1個では一日に百万件行われていることに対し、ショウジョウバエの精子は修復活動をしない特別なものであることが判明している」(上記リンクより引用)

という特殊なものだそうです。

一般的な生物が放射線を浴びた場合、あまりに多量なら癌になったり、死んだりすることはあっても、突然変異で形態が変化したり、ましてや巨大化したりすることは、ちょっと考えにくい。

発生初期(卵細胞とか)であれば、少しの遺伝子の損傷が、形態形成に影響を与えることはあるかもしれませんが(それでも、ショウジョウバエなどの例外を除けば修復機能があります)、既に成長して多数の細胞で体ができている生物の場合、いくつかの細胞の遺伝子が傷つけられたところで、方向性のある形態の変化が出るとは考えにくいです。

まあ、あくまで、かつて遺伝学の単位を落として二度も授業を受けるはめになった私の知識の範囲ですが…。

最近、こんな記事もありましたが…どうも根拠が希薄なようです。

「原発事故でチョウに遺伝的異常」 准教授論文に異論相次ぐ
(jcastニュース2012/8/17)

「ヤマトシジミの生息域が北上しており、それに伴って北限の東北地方では高い頻度で突然変異が見られる」(上記より引用)

通常に見られる突然変異との比較検討がされていないようです。
今回だけ調べて突然変異が見つかったと言ってもあまり意味が無いわけで。

それに、2011年5月のヤマトシジミの成虫ということは、2011年3月(震災の頃)には、既に幼虫か蛹になっていたはずで、それが放射線を受けて突然変異するというのも、ちょっと考えにくい気がします。(成虫原基は放射線の影響を受けやすいとか、そういう事実があるのか? でも、変異が遺伝したと言ってるのでそれも違う気がする。)

ところで、「放射線を浴びて巨大化」ってのもステレオタイプですが、この元ネタって何なんでしょうね。
そもそもそういう事実があったのか…?
ちょっと探したところではそういう論文も見つからないですし…

やはり、昔のSF映画の影響なんですかね。

昔のSF映画に「放射能X」というのがあって、放射線の影響で巨大化したアリが出てきますが、そのあたりが大元でしょうか。

「ゴジラ」とか、黒澤明監督の「夢」とか、放射線による巨大生物(植物)が出てくる作品もけっこうありますが、大昔の「フィクション」がそのまま受け継がれているということでしょうか。

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四葉のクローバー群生を見つけたのは群馬の森ですが、そのすぐ隣の施設には「モニタリングポスト」があるので、このあたりで異常に放射線が高かったりしたら、すぐにデータに現れますね。(毎月のデータも このページで見られます)

その意味でも、四葉のクローバーと放射線の関連は、考えにくいということです。
(だれもそんなこと思ったりしない? 心配しすぎかな…)

(2012.8.28)

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コメント

> 実際に自然界で、放射線によって形態の変わる突然変異(表現型の変異)を起こしたと証明された例って、ほとんど無いのではないかと思いますが…。
自然界限定ですか? 人為的な放射線源を用いた品種改良や、ちょっと前に話題になった中国の「宇宙野菜」とかはなしで?
自然界限定だとすると、
そもそも地球環境には表現形に影響を与えるほど「空間線量が著しく高い場所」が存在しないので、そういう研究自体が出来ない、ということなんではないかと思います。

ちなみにチェルノブイリ原発周辺は人間が居なくなったので自然が戻ってきているらしいですよ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4140811811

投稿: 深井 | 2012年9月 5日 (水) 17時56分

>自然界限定ですか?
はい、ここでの話題としては、そうですね。

今の関東レベルの放射線量でも、突然変異が起こってるんじゃないかと心配する人がいるようなので。

実験室レベルでは、マラーの実験も含め、例はありますね。


>チェルノブイリ
そういう話も聞いたことがありますね。
逆に、現地で突然変異を起こして巨大化した動物が猛威を振るっている、というような話はなさそうで。
(まあ、隠蔽説も含め、いろいろな説を唱えている人もいるようですが)

投稿: 適研所長 | 2012年9月 5日 (水) 23時06分

> 今の関東レベルの放射線量でも、突然変異が起こってるんじゃないかと心配する人がいるようなので。
そういう杞の国にお住まいの方には科学は無力ですので、別のアプローチで心の平安を求めればいいと思います。

実験室レベルでも、初期の研究には照射線量と変異個体発生率の相関性に関する研究はされているんじゃないでしょうか。
放射性元素に関わる事象は全てが確率に支配されているので、100%は保証できないと思いますが。

投稿: 深井 | 2012年9月 7日 (金) 01時33分

>実験室レベルでも、初期の研究には照射線量と変異個体発生率の相関性に関する研究はされているんじゃないでしょうか。

そうですね。
で、おそらく現在のレベルではまず問題ないということも「科学的には」わかっているはずなのですが。

>放射性元素に関わる事象は全てが確率に支配されているので、100%は保証できないと思いますが。

そうなんですよね。
だから、杞憂の方に
「絶対とは言い切れないじゃないですか!」
と言われると、確かにそうなんですが。

そもそも放射線の話に関わらず、100%保障できる科学的事象なんて存在しないわけで。

逆に、放射線がなくたって、突然変異は起こりますしね。

投稿: 適研所長 | 2012年9月 8日 (土) 23時20分

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

投稿: fxの投資 | 2012年9月12日 (水) 15時07分

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