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ガーゴイルのひみつ

また先日の旅行絡みの話ですが。

ぶっちゃけフランス、パリへ行ってきたのです。
(パリというのが、小恥ずかしいのは、なぜだろう)

まあ、旅行全体のことは、またいつものような形でいずれ書こうと考えていますが…
今回は、特にその中で気になるネタをひとつ。

(以下、横長写真はクリックで拡大します)

[ ノートルダム大聖堂 ]

Ntdm02_2
(南側から)

Ntdm01
(西側から)

ノートルダム大聖堂といえば、ガーゴイル、ですね。

例えば、ディズニーアニメ映画、「ノートルダムの鐘」では、石像ガーゴイルが主人公カジモドの友達として登場します。

「愉快な石像ガーゴイルたちに励まされ、ついに塔を抜け出します。」(ディズニー作品説明より)

Wikipediaで「ガーゴイル」を調べると、やはりノートルダムの石像の画像が掲載されています。

Chm08

↑Wikipediaの写真は、この人ですね(向きは違いますが)

Chm02

まあ、でも、一番有名なのは、この人じゃないでしょうか。
頬杖をついて、街を見下ろす、翼の生えた怪物。

ガーゴイルというと、このイメージが強いですね。
石造りの悪魔像。

ファンタジーRPGに登場する場合、大概このイメージですね。
D&Dの赤本で、すでにガーゴイルは登場しています。そこからウィザードリィを経て、定番化したように思います。

また、悪魔(というか有翼の怪物)のイメージはゲーム外でも一般的のようです。
ディズニーアニメの「ガーゴイルズ」では、まさにそのイメージ。
あと、「Gargoyles; Wings Of Darkness」という魔物ガーゴイルが登場する映画もありましたね。(テレ東の深夜だか、安い時間にやっているのを見た記憶が…)

ってことで、自分のガーゴイルのイメージも、ずっとこれに同じだったわけですが…

…しかし今回、その概念を覆す事実を発見してしまいました。

ノートルダムの寺院塔を解説するパンフレット。現地で日本語版を入手して読みました。
ここでpdfが見られます)

寺院塔で、上の写真のものも含めた、多数の「ガーゴイル」石像が見られる回廊があるのですが、その回廊のことは、このパンフレットでは「キマイラの回廊」と書かれています。

そして、その「キマイラ」についての説明があり、そこにはこう書かれています。

「キマイラ:怪物の一種で空想上の産物。装飾彫刻であり、雨水を排出するための突出部であるガーゴイルとは別のもの

そう、ノートルダム公式見解では、あの有名な像たちはガーゴイルではなくキマイラなのです。

その証拠もいくつかありました。ノートルダム大聖堂近くにこんな名前の店が。

Chm01

「Chimeres de Notre-Dame」。
上には、あの頬杖をつく石像の絵も描かれています。

そういえば、そもそも、「地球の歩き方」のノートルダムの説明に「伝説の怪物キマイラたちの像」と書かれていたのでした。

雨樋にあらずんばガーゴイルにあらず。

本物のガーゴイルは、こちらです。

Ggl01

Ggl02

この石像たちも、ノートルダムのもの。
これらはまごうこと無き、雨樋です。

その証拠も…。

Pr06_02

口からゴバァー。
(私は、この雨水攻撃をまともに食らってビショビショになりました。)

いやあ、長い間勘違いしていました。
ちょっとガーゴイル観が変わりましたね。

もっとも、最初にガーゴイルという言葉を知った時は、まだD&Dもウィザードリィも知る前で、辞書の説明のまま「雨樋」のイメージはあったんですけどね(絵的には大浴場の吐水彫刻を想像してましたが)。

ちなみにWikipediaの説明でもちゃんと
ガーゴイルとは怪物などをかたどった彫刻から(ママ)であり、雨樋の機能をもつ。」
と書かれているんですけどね。

おっと、ただし、これはあくまでノートルダム聖堂(あるいはフランス)の独自解釈という可能性もあります。

そもそも、キマイラ(chimera)というのは、ギリシャ神話の特定の怪物(ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尾を持つ)の名称(あるいは、そこから派生して、合成的要素を持つ怪物)ですが、フランスでは、異形の怪物一般の名称になっているようです。

ギュスターヴ・モロー(フランスの画家)の作品の中に「キマイラたち」というのがあり、ここにも異形の怪物たちが描かれています。

キマイラやガーゴイルに対する解釈も、国や時代によって違っているのかもしれません。

なので、今までどおりのガーゴイルを見ても、知ったかに「あーこれはキマイラだよー」なんて言わずに、これはこれでガーゴイル、と解釈しようと思います。

(おまけ1)

[ キマイラの回廊の石像たち ]

Chm03

↑カッパのようなやつもいる

Chm04

↑ただの鳥みたいなものや、豹のようなやつ。

Chm05

↑なんか食ってる…(人かと思ったが、よく見るとチキンのようでもある)

Chm06

↑左端、魔法使いのじいさんみたいなのも。

Chm07

↑ドラゴンタイプ。かっこいいな。

パンフによると、これらのキマイラたちは、それまでの彫刻がフランス革命時代に破損されたため、19世紀にヴィオレ・ル・デュクという建築家が(彼の中二病を発揮して…?)デザインしたもの、ということです。
大聖堂の長い歴史(12世紀~)からすると、新しいもののようですね。

(おまけ2)

Ntdm03

大聖堂内。CGのように綺麗に撮れた…(ぜひ拡大して見てください)。

(2012.10.5)

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