« ウニと坊さん | トップページ | 三日月村 »

ゲームをめぐるニュース数本

立て続けにゲーム業界の話題がいくつか、ニュースになってました。

ゲーム業界の趨勢はどこへ向かうのか…

(今回ちょっと長いです…)

ソーシャルゲーム、開発会社の黄昏
(東洋経済オンライン 4月17日)

一世を風靡した「ソーシャルゲーム業界」が、失速しつつある…というような内容です。

「ソーシャルゲーム会社をめぐる状況は、変わりつつある。」(引用)

「スマホ=ネイティブアプリが浸透する中で、ユーザーは「もしもしゲー」や「ポチポチゲー」と揶揄された単純なものではなく、純粋にゲームとして質の高いものを求めるようになっている。」(引用)

この記事は、どうやら「パズル&ドラゴン(パズドラ)」の大ヒットを踏まえたもののようですね。

これまでのソーシャルゲームというと、ガラケー時代のフォーマットを踏襲する「ブラウザ」系ゲームが中心でした。

日本でのソーシャルゲームのヒットは「怪盗ロワイヤル」からでしょう。

さらに、そこに「ガチャ」が加わったことで、ソーシャルゲームのフォーマットは完成し、以降、そのフォーマットを踏襲したゲームが次々ヒットを飛ばしました。

(なので、日本で単に「ソーシャルゲーム」というと、このフォーマットのゲームを指すようです。ソーシャルという意味では違うタイプのものもあるのですが…)

そんな頃に、ちょうど自分もソーシャルゲームに関わる機会がありましたが…

当時は「ソーシャルゲームに非ずんばゲームに非ず」というようなアトモスフィアが漂っていましたね…。

ゲームの内容以前に、まず、あのフォーマット(定石)を踏まえているかどうかが、企画通過の最低ラインだったように感じます。

いや、確かに、ソーシャルゲームのあの「儲かるべくして組まれたロジック」は、凄いと思いました。

そんな感じで、他に追随を許さない体のソーシャルゲームだったのですが…

そこに「パズドラ」というゲームが現れました。

「パズドラ」も、根っこにはソーシャルゲームの血が流れています。

フレンドを登録する部分や、ガチャやスタミナ回復で課金する部分などは、定石ですね。

しかし、思想が何か違う。

まず、「緩い」んです。

他人との対戦・競争の要素(ロワイヤルのような「奪い合い」など)やトレードという要素が無い。

ほぼ、ソロプレイのゲームです。

ガチャもありますが、そもそも他人と比較する要素があまり無いので、

「あいつに勝ちたい」→ガチャを引く

というインセンティブが、ほとんど無い。

自分のペースでゲームができてしまいます。

これは、旧ソーシャルの定石で言えば、アウトです。

「緩い」といえば、課金要素である「魔石」。

パズドラでは、これを惜しげもなく、しょっちゅうバラ撒いてます。

これも、旧ソーシャルの定石で言えば、アウトでしょう。

それから、パズドラは「ゲーム性が高すぎる」。

(実際は、一般的なコンシューマ(家庭用)ゲームと比較して、ゲーム性が高すぎることは無いのですが…ソーシャルゲームの文脈では高すぎるということです)

旧フォーマットのソーシャルゲームでは、「プレイヤーにあまりややこしいことを要求するな」という鉄則がありました。

ボタンを1個押しているだけで、なんとなく先に進んでしまう、そんなゲームこそが正義とされていたのです。

それを、パズドラは覆してしまいました。

基本的には3マッチパズルの変形ともいえるルールではありますが、それでも、ボタン連打感覚で進める内容ではありません。

それが、ステージを進めると、どんどん難しくなって行って、漫然とプレイしていたらクリアできないレベルになっていきますよね。

しかし、それも、プレイヤーのテクニックで克服できてしまうのです。上手い人のプレイを見ると、凄いですよね。

これって、かつての「ゲームゲームした」ゲーム…テトリスとか、シューティングゲームとか…に通じるゲーム性ではないですか。

もちろん、課金して強いモンスターを入手し、クリアするという方法もありますが…

ソーシャル要素以外の克服法を提供している時点で、旧ソーシャルフォーマットではアウトです。

なので、パズドラは、厳密にはソーシャルゲームではない、とも言えます。
(一般的にも、パズドラはソーシャルゲームと捉えられて無いかな。そもそも SNサービスで提供されているゲームではない時点でも)

と、ここまで定石を無視した作りのゲームが、現在までに1200万ダウンロード達成という、これまでのソーシャルゲームも未踏の記録を達成してしまったのですから…

業界騒然です。

そこにまた、意外な記事が。

パズドラZ

ニンテンドー3DSで、2013年冬 発売予定!

パズドラが、コンシューマゲーム機に?

これまた、業界騒然。

今やコンシューマゲーム業界は、スマホに駆逐されるのではないかと戦々恐々としている状況なのに…

それとも、大ヒットを生んだクリエイターの目にも、コンシューマゲーム機にはまだ魅力が感じられるということなのか!?

しかし…そこでまた、こんな記事も。

ソニー、ゲーム敗戦の舞台裏…新PS4発表でも株価下落、携帯型ゲーム機は販売計画の半分

(Business Journal 4月18日Yahooニュース経由)

「据え置き型ゲーム機は「絶滅危機種」--。こんな刺激的な表現をするのがフィンランドのロビオ・エンターテインメントの最高マーケティング責任者、ピーター・ベスターバッカ氏だ。人気を集めた割安なモバイルゲーム「アングリーバード」を開発した自信からか、ゲーム市場の主役交代を、高らかに宣言した。」(引用)

さらに、この記事では…

「今日、据え置き型ゲーム機は絶滅機種。携帯型ゲーム機はスマホに死亡を宣告された。家庭用ゲーム機の販売の終了説が、公然と語られるようになっている。」(引用)

とまで言ってます。

いったい、真実はどこに…。

まあ、そんなことは誰にも分からない…というのが正解でしょうが…

これらの記事について、私なりの解釈をしてみると…

まず、「ソーシャルゲーム」ですが…

一時の勢いを失っているのは事実としても、もうぜんぜんダメか、ということでは決して無いと思います。

パズドラに負けたとはいえ、未だにソーシャルゲームのユーザー数は物凄い数いるんですから…。

パズドラよりも、「ポチポチゲーム」の方が好きなユーザーだっているはず。

今までがバブルだったというだけで、これからも、1ジャンルとしては十分なバリューは持ち続けるでしょう。

もっとも、スマホが優勢になって厳しいのは確かですね。
今までは、ミニマムなコストで作れていたものが、スマホグレードのクオリティが求められるようになってきますからね。
当該記事でも
「従来のブラウザゲームと比べ、開発費が高騰するという悩みがある。」(引用)

安易な作りはできなくなるでしょう。

それから「パズドラ」3DS版について…。

これは、あまり深い意味は無いと思います。

「やりたかったからやった」位のことで、これでコンシューマでもナンバーワンをとってやろうとか、ましてや、コンシューマの方が魅力的だと思ったわけではないと思います。

実際、パズドラが、3DSでマリオやドラクエを超えるヒットをするとは思いません(あくまで私見)。

まあそれでも、今のネームバリューを持ってすれば、そこそこの本数は売れて、商売としては成功という結果にはなるでしょう。

それから、最後の記事「据え置き型ゲーム機は絶滅機種。携帯型ゲーム機はスマホに死亡を宣告された」について。

これまた、極端すぎると思います。

パズドラによって、意外に「ゲームっぽいゲーム」を遊びたいユーザーが多いことは分かりましたし、スマホでは遊びにくいゲームも多いです。(スーパーマリオをスマホで遊べますかね)

だいたい、「アングリーバード」が偉そうなことを言ってますが、ああいうスマホの売り切りアプリ(ないしは広告アプリ)のビジネスモデルこそ、既に死亡宣告されている…という説もありますよ。

(その証拠に、私のフリーアプリだって、未だにダウンロード50本程度だし…。もう、供給過剰なんですよね。いや、私もアングリーバードは好きですけど。)

要は、評論家やニュース記者の発言に、いちいち踊らされないほうが良さそうだ…というのが私の結論でしたね。

(2013.4.18)

|

« ウニと坊さん | トップページ | 三日月村 »

ゲーム」カテゴリの記事

スマートフォン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533792/57201231

この記事へのトラックバック一覧です: ゲームをめぐるニュース数本:

« ウニと坊さん | トップページ | 三日月村 »