ウニと坊さん
[ 聖職者の務め ]
先日、法事がありました。
が、そこで老住職が、故人の名前を二度も間違え、興ざめ。
(さすがに二度目には突っ込んだが、聞いていたのかいないのか、流されてしまった)
私自身は、かなり唯物論者ではありますが、宗教というものには敬意を払っているつもりです。
(神話は好きですし、神社仏閣聖堂教会など宗教美術の類も好きですし)
宗教というのは物質的利益を得られるものではなく、、あくまで心のものです。
なので、「信頼感」、「説得力」、「ありがたみ」というものが大事な世界だと思いますが…。
ところで、説得力という意味では、ディズニーランドはすごい。
従業員一同、本気だぜ…という感覚を味わわせてくれます。
というか、「従業員などいない、そういう世界なんだ」とすら思わせる説得力がある。
宗教にも当然、そういう説得力が必要で、古から荘厳な建築や、ありがたい物語を作って、説得力を高めてきたはずです。
それが、肝心な儀式の肝心な所をトチって平然とされると、その説得力も台無し。
いや、経文を言い間違うとかならまだ許せるとして、儀式の主役である故人の名前を間違うのはどうかと。
しかも、えらい坊さんだかどうかは知らないが、通り一遍の読経の仕方の説明なんかはするものの、時節柄の挨拶とか、どういう意義のある儀式であるとか、オリジナリティのあるありがたい一言とか、一切なし。
これでは「事務的」にやってるんだな、と思ってしまいます。
「この坊さんは、きっと経文を読みながら、『今日の夕食は、トンカツがいいな』とか考えてんるんじゃないか…?」
…とか、どんどんネガティブに考えてしまいました。
いや、私もピュアな人間じゃ無いんで、実際、仕事なんてものは、大概そんなもんだろうと思ってますけどね。
坊さんだって、先生だって、警察官だって、ディズニーランドの職員だって、最終的には仕事でやってるんだと。 「聖職者」なんてものは幻想なんだと。
しかし、そこでタテマエっていうのが重要だと思うのですよ。
表面的にでも「本気だ」という体を見せてくれるかどうか。
それで良いのだと思います。
大切なのは、ホンネよりタテマエですよ。
貫き通せれば、タテマエも本物になります。
もっとも、教師や警察は、タテマエだろうが本気だろうが、職務の実績が評価の尺度になります。
しかし、宗教者は、その信頼感と説得力だけが、職務であり実績なわけですから。
そこは、気を付けていただかないと。
[ ウニ ]
大人になってから、ウニが好きになりました。
(多分、子供の頃は、群馬では不味いウニしか食べられなかったから嫌いだったのだろう)
(三陸のウニ。美味しかったが…あの店、震災後も、ちゃんと無事営業してるだろうか)
でも、ウニは高い。
ふと、なんでウニってこんなに高いのかと、不思議に思いました。
普通のウニ(ムラサキウニ)って、けっこうどこの海にでもいるじゃないですか。
以前、ハワイで遊覧潜水艦に乗った時、きれいな魚はあまりいないのに、ウニだけがわんさかいるのを見ましたし(笑)。
まあ、だからと言って、乱獲するのもよろしくない。
でも、だったら養殖すれば良いんじゃないか?
ウニの養殖って、難しいのか?
潮だまりにいるくらいだから、そんなに水質にうるさくなさそうだし、エサは海藻なので「増えるワカメちゃん」的な人工飼料でも与えれば、プールみたいな所でも簡単に育ちそうな気もするのですが。
そういえば学生時代、実習でウニの発生の観察をやりましたが、簡単に受精させて、発生させられるんですよ。
そう考えると繁殖もそう難しくない気がします※。
こうなったら、ウニの養殖で、一儲けできないかなと…(笑)。
…と思って、「ウニ養殖」で検索したら、特許のページが出てきた。
「ウニ養殖篭及び養殖方法」(patentjp.com)
既にウニの養殖法で特許を取ってる人がいるのか…。
じゃあ、早く実現して、ウニの値段を下げてくださいよ。
※ 人工発生では幼生の生存率が低いという話はあるらしい。
(2013.4.15)
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コメント
日本の仏教は江戸時代の檀家制度で破壊されました。今あるのは形骸です。
特に工夫(新しい教義を考える等)をせずとも収入源が確保されるようになったら、そりゃ腐敗もしますわなー。
ウニは海底砂漠化の原因とも言われています(4/21のサイエンスZEROで取り上げられるようです)。
なんでも、ウニがいるとコンブなどの海藻が定着してすぐに食べられてしまって成長できず、結果として石灰藻(サンゴモとも)しか生えていない白い海底にウニだけがいるという状況になるとか。そういう場所のウニは獲っても身がないそうな。
あと、ウニは非常に痛みやすいので、生産量が上がっても価格は下がりにくいでしょう。流通過程で鮮度を保つための安上がりな方法が見つからないとダメなんではないかと。
投稿: 深井 | 2013年4月18日 (木) 02時15分
そうそう、ウニの食べる部分って、精巣や卵巣なので、いつでもあるわけでもないし、栄養状態が悪いと小さかったりするんですよね。
流通で言うと、スーパーに売ってるウニは、アメリカやロシアなど外国産も多いようです。まあ、味は国産より劣るんでしょうけど。
最近の回転寿司のウニも、そこそこ美味しいけど、積丹で食べたウニほどには美味しく無いもんなあ。
しかし、なーんか、ウニの値段が高いのには、闇の勢力の圧力でもかかってるんじゃないかと思いたくなっちゃいます。(陰謀論。冗談です)
投稿: 適研所長 | 2013年4月19日 (金) 00時16分
ちょっと調べてみたんですが、殻から取り出したウニってミョウバンで処理しないと2〜3日で溶けて液状になってしまうみたいですね。んでこのミョウバンが苦味の原因になると。
冷凍しておいても、解凍するとやっぱり溶けちゃう。
http://www.uniya.net/freezing.html
それに加えて、漁師でも料理人でも、殻を割ってみないと中身が入っているかどうか判らないようです。
最近になってそれなりの品質のものが安めに供給されるようになったのは、冷蔵しながらの運送や空輸が可能になったり、ミョウバン処理のノウハウが研究されたからのようです。
http://www.nrs.pref.yamaguchi.lg.jp/hp_open/a17201/00000005/suisan1803.pdf
画期的な保存技術が開発されない限りは、これ以上安くはならないんじゃないですかね。
投稿: 深井 | 2013年4月20日 (土) 22時01分
サイエンスZERO観ましたか?
海底砂漠化はウニではなくむしろサンゴモが重要な役割を果たしているとは。いやはやびっくり。
http://tnfri.fra.affrc.go.jp/tnf/news45/tani_1.htm
逆にコンブなどはウニの幼生を殺す成分を分泌しているそうで、生物学も色々わかってくると面白いですなぁ!
http://www.fish-jfrca.jp/02/pdf/seasonal_report/touka2011fuyu.pdf
養殖技術的にもジブロモメタンを使うことでウニの幼生生存率をかなり上げられるようですね。
エサに地上の植物の葉を与えても良いらしいので、ウニにとっての毒を出しているコンブ類よりも良いのかも。
投稿: 深井 | 2013年4月23日 (火) 01時40分
ウニの回のサイエンスゼロは、見てませんでしたね。
ウニ、海草以外も食べますか!
それはますます、興味深い。
ウニはけっこう大食漢だという話なので、安価な代用食でも無いと、養殖もコストはかかりそうですからね。
海の近くに住んでれば、もう少しウニのことも分かるんだけどなあ。
いかんせん、群馬ですから…。
投稿: 適研所長 | 2013年4月25日 (木) 23時54分
ウニに陸上の植物を与えても育つという話の参考URLを貼り忘れてました。
http://www.kotoni.net/kadowaki/kado/today/t21-uni/t21-uni.htm
http://serendipity.naturum.ne.jp/e1464899.html
特許もあったりします。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2007236230/
あと、群馬ではヒラメやトラフグが養殖されています。
http://takasaki.keizai.biz/headline/392/
投稿: 深井 | 2013年4月27日 (土) 22時23分