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チェレンコフ光

先日の話。

[ JAEA 日本原子力開発機構 高崎量子応用研究所 ]

たまたま通りかかった所、イベントで施設見学のできる日だと気付きました。

Trok01

「第36回花と緑の見学会」

毎年、4月にやっているイベントですが、訪れたのは久々。

前回は、8年前くらいだったか。
(その時は、「量子応用研究所」なんて名称じゃなかったような…。単に「原研」と呼んでた。)

Trok08

「ガンマ線照射施設」。

前回来た時には、入らなかった(入れなかった?)建物です。
今回は、ここも見学できるとのこと。

で、真っ先に寄ってみると…

たまたま、ここに勤めている知人が、そこにいました。 
なんと久しぶり! なんと偶然!

終了時間間近で、他にお客もいなかったので、直々に中を案内してくれ、色々説明してくれました。ラッキー。

この施設では、コバルト60という物質を保管し、ガンマ線照射に使用しているそうです。

コバルト60は、カナダからの輸入モノなんだとか。

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コントロールパネル。SFチックでカッコイイ~!

Trok03

貯蔵プール。

コバルト60からの放射線を遮蔽するために、水の入ったプールに沈めているわけですね。

(例の、あのプールみたいなものか…)

Trok04

水は、「純水」だそうです。

Trok05

ものものしい扉。
この部屋は、「使用中」「照射中」のサインが。

Trok06

こちらには入れるようです。
(別に、知人がいたから入れたというわけではなく、公開日には一般公開されてるみたいです)

暗い部屋には、やはりプールがあり…その中には

Trok07
(拡大あり)

おおっ!

プールの中には、「チェレンコフ光」を放つ、コバルト60!

美しい!

(美しすぎて、LEDでも沈めてるんじゃないかと疑っちゃうほど)

知人が、チェレンコフ光の説明もしてくれました。

(私も、その現象名は知っていましたが、原理はよく知らなかった。ちなみに、知人も、イベントの解説員をするために、最近勉強しなおしたんだそうです・笑)

チェレンコフ放射」(wikipedia)

光のスピードは水の中では遅くなるが、放射性物質から出る荷電粒子が、その光の速度を越える際に、光を放射するのだそうです。「光のソニックブーム」みたいなものだと。

(ところで、ガンマ線て荷電粒子じゃないような…後で調べたところ、コバルト60はベータ線も出すらしいので、それが光の元のようです)

このプールの水は純水ですが、放射線の影響で徐々に酸性化するんだそうです(H2OがH2O2過酸化水素に変わる)。で、その水を別の場所で中和して、また再利用してるんだそうな(これも説明してもらった)。へぇ~!へぇ~!

ちなみに、このコバルト60から出るガンマ線で何が行われているかというと…

ジャガイモの芽が出ないようにしているのだそうです。
(超技術が、ずいぶん身近な使われ方をしてるんですね…)

放射線によるジャガイモの芽止めは、1974年から実用化されているのだそうです。

ただ、日本では、食品放射はジャガイモにしか使われてないのだとか。
世界では、殺菌などの目的で、麦や肉類など、様々に利用されているらしい。

Trok10

で、見学のお土産に、芽止めジャガイモをもらいました。

確かに、芽がなくてきれい。

Trok09

ジャガイモを入れたお土産袋が、JAEAのロゴ入りで、カッコイイ。

(2013.4.11)

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コメント

いいなぁ、うらやましい。
閑話休題。
過酸化水素は確かに弱酸性ですが、ここで問題になるのは酸性/アルカリ性ではなくて、酸化/還元の方だと思います。過酸化水素は強力な酸化剤です。どっちも「酸」でややこしいことこの上ないですが。

要するに酸化=錆による金属材の腐食が問題になります。
なので、中和ではなくて強力な還元剤である水素の注入を行うそうです。この時に実際に起きる反応は結構ややこしいので、単純に水素分子が過酸化水素から余分な酸素を受け取って水になる、という説明だとあまり正しくないんですが、それでも中和よりは正しい。

通常の原子炉の一次冷却水もやはり純水ですが、こちらでも定期的に水素を注入して過酸化水素濃度を抑えるそうです。

もっと正しくて詳しい説明が以下の場所で読めます。
原子力工学にかかわる水溶液の放射線化学研究
http://radiation-chemistry.org/kaishi/081pdf/RC081.pdf

投稿: 深井 | 2013年4月12日 (金) 02時39分

なるほど、過酸化水素を水に戻すのは、中和とは言わないんですね…。

説明の彼は、中和といってた気がする…。
では多分、素人にわかりやすい言葉で説明してくれたのでしょう。

ちなみに、彼は今、燃料電池の研究をしていると言ってました。
なかなか、最先端。

投稿: 適研所長 | 2013年4月12日 (金) 22時30分

……よく考えてみたら、化学の文脈以外でも中和って使いますね。
ニュートラライズ・ポイズン=毒の中和
化学の文脈で考えるとおかしいってことでひとつ(てへっ)。

投稿: 深井 | 2013年4月13日 (土) 00時00分

確かに、毒の中和って言いますね。

そういえば、一般語と化学語で意味が違う言葉ってありますね。

塩っていうと、一般的には、あのしょっぱい塩化ナトリウムNaClのことだけを指すけど、化学で塩(えん)っていうと、Na2CO3とか、広く中和化合物の事を指しますよね。

投稿: 適研所長 | 2013年4月15日 (月) 23時14分

日本語だと化学の塩は「えん」、普通の塩は「しお」で口頭でも区別がつきますが、英語だと普通の塩をわざわざ"common salt"と言わなきゃいけないみたいです。

"neutralize"も、
1. 立場を中立にする 2. 無効化、相殺する 3. (化学の)中和する、(電気の)中性にする
といちいち文脈から考えて解釈しなきゃいけないようです。

向こうの科学者は大変ですね。混乱しないんだろうか。

投稿: 深井 | 2013年4月17日 (水) 00時38分

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