例の方法
「小泉純一郎元首相が「脱原発」発言を加速する理由とは」
(2013.9.29 Huff Post だいぶ古い記事ですが)
「今年8月にフィンランドを訪れ、高レベル放射性廃棄物を地下に埋めて10万年かけて無毒化する核廃棄物最終処分場「オンカロ」を視察したことに触れて「フィンランドには原発が4基しかないが、日本には50基もある。いますぐ止めないと最終処理が難しくなる」と即時原発ゼロを訴えた。」(引用)
ちなみに、私は(何度も書いてますが)、
「原発を今すぐゼロというのは、非現実的」
「しかし、徐々には減らして、いずれはゼロに…」
という派です。
なので、小泉さんの「即ゼロ」というのには、単純に賛同できないのですが…
「今ゼロと言わないと、最終的にゼロにできない」という意図にはうなづけるし、
実際、今、稼動ゼロじゃん…ということを考えると…
「即ゼロは非現実的!」…とも、ちょっと言いにくくなった今日この頃。
(まあ、今の状況は、余力の無いギリギリ状態なんでしょうが)
私が原発の最大の問題点と思うのは、上記の小泉サンと同様、放射性廃棄物に関して。
小泉発言を受けてか、首相も動いたようです。
「放射性廃棄物問題、首相が対策を指示」
(2013.12.10 産経ニュース)
「安倍晋三首相は10日の閣僚懇談会で、高レベルの放射性廃棄物問題の解決に向け、国が前面に立って取り組むための新たな方針を検討するよう指示した。」
おお、有識者たち、頑張れ!
…しかし、で、どうするんでしょう。
今までもずっと、解決できないできたことですからね…。
どこの村が、市が、県が、受け入れますかね、放射性廃棄物。
フィンランドの最終処分場は、地下500mだそうだ。
そこまで深ければ、地上はまあ安全だと思えます。
しかし、運搬するために、地上とは行き来できるようにしなければならない。
それは、テロリストなどの侵入の危険もあり得るということ。
しかも、プルトニウムの半減期は2万4000年。小泉サンの言うように、10万年のオーダーでそれを維持しなければならない。
容器や施設の劣化は? 地下水への流入は? 地殻の変動は?
そもそも、10万年後まで、今の国の体制…文明ですら維持されているかどうか。
不安は尽きません。
しかし…
この廃棄物を安全に処理できる「たったひとつの冴えたやり方」があるんじゃないかと、ぼんやり考えたことがありました。
ただ、あまりにバカっぽいので、現実的ではない、とも思ってたのですが…
あるHPを見た時に、これは、もしや…と。
「市民のための環境学ガイド」
時々見ている、東大名誉教授、安井至さんのHP。
記事「小泉元首相の発言 政治家が決めればアイディアはでるのか?」(2013.11.16)
「A君:最後は地球に処分を任せるしかないのです。」(引用)
廃棄物の件についての中で、唐突に、こんな一言が書かれています。
実は、これ、以前は以下のような流れでした。
(以前見た時から、修正されていた)
「A君:最終処分の究極的な方法が国際的に合意されるのには、やはり100年ぐらいかかると思います。
B君:究極的ということは、「例の方法」を意味しているのかな。
A君:まあそう言うことです。この方法を今の時点で主張するのはちょっと抵抗感がありますね。
B君:でも100年後には、恐らくそんな方向で、国際的な合意ができているような気がする。
A君:最後は地球に処分を任せるしかないのです。」(キャッシュから引用)
これは、もしや、私の考えてたことと同じでは!
いや、ここからはあくまで、私の勝手な想像です。
この記事ではハッキリ書いてませんし、ましてや削除された部分なので、安井先生には何の責も無い話ですが…
これ、「放射性廃棄物を、海溝に沈める」という話ではないかと。
私は、これが一番上手い方法なんじゃないかと思ってました。
で、「放射性廃棄物 海溝」で検索してみたら…
当然のように、ありましたね。
「核のゴミ問題は解決できる」
(池田信夫 2011.5.22)
「放射性廃棄物をドラム缶に入れて日本海溝の底1万mに投棄すればいいのだ。しばらくするとプレートの中にもぐりこんで危険はなくなる。」(引用)
「核廃棄物についての誤解」
(池田 信夫 アゴラ2011.9.27)
「コンクリートで固めて日本海溝の1万mの海底に沈めることが技術的にはもっとも合理的な解決策だが、政治的にできない。」
書いているのが、池田信夫サンである…というのが微妙な感じと、
上記の書き口からは、やはりバカっぽい無謀な感じに思えますが…。
よく考えると、合理的なんじゃないかと。
まあ、私も原子力や放射線について詳しいわけじゃないので、あくまで素人知識での考えですが…
まず、海底数千mにもなれば、当然放射線は遮蔽されます。
(原発のプールで遮蔽できるわけですから)
万が一、容器が破損したとしても、そこに沈んでいる限りは問題ないでしょう。
また、そこまでの深海になると、ほとんど生物も生息せず、人間の生活圏への影響も考えなくて大丈夫…なんじゃないか。
なにより、そう簡単に人間が行き来できる場所ではなく、テロリストの心配もしなくてOK!
で、何万年も経つ間には、地中深くに引きずり込まれていきます。文明が崩壊して、存在が忘れられたとしても問題は無い。
もちろん、「絶対」というのはありえません。
思ってもみないことが起こる可能性はありえます。
でも、どっかの地下500mに埋めることに比べれば、かなり安全と思えませんかね。
(あとは、正確に海溝へ投下する技術…というのは必要ですが。)
こんな素晴らしい案ですが…
現実的には、やはり難しいんですね。
問題は、「人々の気持ち」ですね。
まず現在「海洋投棄はロンドン条約で禁止されている」とのことらしいです。
それが無くても、「廃棄物を海に捨てる」と言ったら、国内外で反対論が起こるのは目に見えています。
それが、どんなに「科学的に安全で合理的」であったとしても。
このあたりを考え合わせると、安井さんの
「この方法を今の時点で主張するのはちょっと抵抗感がありますね。」
と書いた理由がわかる気がします。
一方で、
「でも100年後には、恐らくそんな方向で、国際的な合意ができているような気がする。」
と、政治的な問題、人々の感情の問題が100年後には解決してるんじゃないかという、希望を持っていることも伺えます。
(逆に言うと、これを論じるのは時期尚早であると。この部分が削除されたのは、そんな理由からではないかと推測します)
…まあ、これは、あくまで私が勝手にそう解釈してるだけの話ですが。
(キャッシュからの引用なんてちょっとマナー違反だったかな。でも、リスペクトしてのことなので、ご理解ください)
(2013.12.13)
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