高山社跡・田島弥平旧宅
世界遺産になった、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の中で、富岡製糸場 と、荒船風穴 へは以前行ったことがありましたが(行ったのは登録前ですが)…
最近、残りの2つにも行ってきたので、簡易レポートです。
(行ったのは、それぞれ別の日でした)
[ 高山社跡 ]
群馬県藤岡市。
藤岡市とはいえ、ぶっちゃけ山奥で、交通の便は悪いです。
鉄道からは遠く、車でないと行きにくそうですね…。近くに立派な駐車場もできていましたが。
外観。
実は、以前も来たことがあったのですが、その時には時間が遅く既に閉まっていました。
今回はリトライ。
この高山社跡とは、なんなのか…簡単にいうと
幕末~明治の養蚕家、高山長五郎が生まれ育ち、養蚕研究と指導に取り組んだ地です。
高山は「清温育」という飼育法を考案しました。
写真の屋根の上に3つある構造が、養蚕農家特有の越屋根(やぐら)です。これが、換気の役割を果たし、養蚕に役立つわけです。(清温育の「清」の方ですね)
屋内も見学できます。
一階の部屋。囲炉裏と火鉢があります。
養蚕農家は、住居の一部で蚕を育てるんです。
ここで、火鉢を使うと暖かい空気が上に昇って…
二階の床は格子状になっていて、一階の暖かい空気が流れ込むようになってます。
これが「清温育」の「温」ということですね。
…なんて話を、現地ではガイドの方が解説してくれます。
建物裏手の、桑貯蔵庫跡。
遠景。
閉館間近の時間でしたが、そこそこ多くの方が訪れていました。
[ 田島弥平旧宅 ]
群馬県伊勢崎市。
埼玉県との県境近く。高山社よりはアクセスしやすそうです。
門。
こちらは、初めて来ました。
こちらもガイドの方がいて、おもしろおかしく解説をしてくれます。
(田島弥平さんの子孫の方のようでした)
田島弥平旧宅、主屋。
簡単に説明すると…
田島弥平は、養蚕業者・研究家で「清涼育」という飼育法を考案しました。
(高山社の「清温育」に先立つ飼育法ですね)
品質の良い蚕種を世界中に輸出し、大儲けしたらしいです。
こちらの屋根はひと繋がりの大きな越屋根(総やぐら)となっています。
これは、やぐらのある近代養蚕農家建築の原点となった建物だそうです。
ちなみに、この家は、現在も個人の住宅として使われています(世界遺産ですが!)。
中は見学できません。
側面。井戸と、途中で途切れた渡り廊下。
かつては隣にも蚕室建物があり、二回で繋がっていたとのことです。
遠山近水村舎の屋号。
田島弥平に関しては、渋沢栄一との関係、蚕種ブランドの設立など色々面白いエピソードがあるので、ぜひ現地でガイドさんから聞いてみてください。
この周囲には、同じような古い養蚕農家建築がたくさんあるので、(興味ある人なら)散策するのも面白いと思います。
近くの自販機で、田島弥平バーションのコーヒーが売ってました。
田島弥平旧宅デザインの(おそらく)シャトルバスも走っているようです。
なんか、盛り上がってる感じ。
順番が逆になってしまいましたが、駐車場の近くには案内所もあって、関連資料を見たり説明を聞くこともできます。
こちらでも、色々面白い話を聞けました。
案内所で飼われていたカイコ。最近は、人口飼料なんですねえー。
ちなみに、現在、群馬県が繭の生産日本一だそうですが、それも風前の灯。
かつて世界一の生産量を誇った日本の繭生産量も現在はその1%以下だそうです。
(私の祖父母の頃には、まだ養蚕やってたんですけどねえ。時代の流れって早いものです)
高山社も田島弥平旧宅も、そこそこ見学者はいましたが、「世界遺産」としては、まだのんびり見られる感じです。
今、富岡製糸場は見学者でごった返しているらしいので、これら穴場スポットの方が狙い目かもしれません…。
(2014.10.14)
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