茅ヶ崎駅幽霊騒動を考察
夏なので、怪談話を。
ちょっと前の話題ですが…興味深い事件がありました。
「茅ヶ崎駅の線路で子供が遊んでいるのを運転手と旅客が目撃→捜索するも発見できず、そもそも監視カメラにも映っていなかったという事案が発生」(EXCITEニュース BAZZAP 2015年6月3日)
上記の記事を元に、経緯をかいつまむと…
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・ JR茅ヶ崎駅、6月2日の20時18分頃。
・ 線路で子供がひとり遊んでいるのをホームにいた旅客と運転士が発見。
・ 東海道線、相模線は運行を停止して(15分ほどの遅延が発生)、駅員らが周囲を捜索したが、子供は発見できず。
・ 監視カメラを確認したところ、そもそも子供はカメラに映っていなかった。
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で、当然のことながら「幽霊事件」と話題になったのでした。
当時、電車に乗っていた多くの人にツイートされていたようです(参照)。
どうやら、事件自体は本当にあったことだと考えて間違いなさそう。
いいですね~。
こういう話、大好物なのですが…最近なかなかクオリティの高い話がなくて。
しかし、この件には久々に興味がわきました。
ただ私、話は好きなんですが、幽霊否定派なのです。
以前、「幽霊の設定」なんて記事で、幽霊の矛盾を書いたりしましたが、たいていの体験談では信じられません。
ということで今回の事件も、単にうのみにするのではなく、考察してみたいと思います。
今回のポイントは…
・ 複数の目撃者がいる
・ 監視カメラに映っていなかった。
まず、「複数の目撃者がいる」というのは重要です。
ふつう心霊体験というと、体験者は一人が多いのですが、それでは客観的事実かどうか判断しにくい。幻覚や夢や見間違いなど、本人の頭のなかだけで起こっていることかもしれません。
ですが、この事件は複数ですよ。客観的事実である可能性が高くなります。
となると、「幽霊否定派」としては、どう説明すべきなのか。
1.「何かを見間違えた」説。
例えば…「ゴミ袋のようなものがあって子供のように見えたが、電車が近づいた時に吹き飛ばされて消えた」。
しかし、複数の人がそんな見間違えをするものでしょうか? ちょっと無理がある。
それに、記事によれば関係者はカメラ映像を見ているのです。もしそんなものが映っていたら、その時点で解決しているはず。
ということで、ちょっと説得力に欠ける。
2.「集団幻覚(集団ヒステリー)」説。
複数の人が、同じ幻覚を見る…という現象があると言われています。
「ファティマの奇跡」や「セイラムの魔女裁判」の原因がこれだ、という説があります。
最近起こった「 福岡で女子高生26人が次々と倒れ臨時休校になるという事件 」も、この類か。
今回の事件も、同様に複数の人が同じ幻覚を見てしまった…ということではないか。
この説は魅力的なんですが、ただ問題なのは…この「集団幻覚(集団ヒステリー)」という現象自体、私、あまり信じてないんですよね。この現象が科学的に証明されたことは無いんじゃないか。
ということで、この説もイマイチ。
では、本当に幽霊?
いや、ここでもう一つ、根本的な部分に疑義を挟んでみたい!
3.そもそも「複数の人が目撃していない」説
記事では「ホームにいた旅客と運転士が目撃」「目撃者多数」とあります。しかし、それは事実なのか?
実際は、運転手(あるいは、ホームで非常停止ボタンを押した人がいたのなら、その人)のみしか見ていないのではないか?
当時、たくさんのツイートがあったのは事実ですが、ざっと見たところ「電車が停まってしまった」ツイートばかりで、「子供を見た」というツイートは発見できないのです。「目撃者多数」なのであれば、そんなツイートがチラホラあるはずなのですが…。
うーん、限りなく怪しい。
単身での目撃であれば、最初に書いた「幻覚や見間違い」という可能性が高くなります。(もしくは、運転手が寝ぼけてしまったとか、非常停止ボタンをイタズラした言い訳とか…)
ただ、まあ、これはあくまで仮説に過ぎません。
実際には複数人で見たのかもしれない。仮に一人であっても、実際に「幽霊を見た」のかもしれない。
…ということで、ここは考察の方向性を180°変えてみましょう。
私の好きな「設定」部分からの視点で…。
ここで面白いと思ったのは、第二の事実です。
「監視カメラに子供は映っていなかった」
幽霊肯定派は、この事実からも、この子供が実在のものではない(=幽霊)と考えるのではないでしょうか?
しかし、ちょっと待ってください。
一般的な「設定」として、幽霊って「目には見えないが、写真(映像)には写る」ものじゃなかったでしたっけ?
今回の「目には見えていたが、カメラには写らない」って、真逆じゃないですか?
これを、肯定派なら、どう説明してくれるでしょう?
「幽霊は、時と場合によって、モードを切り替えられるのだ!」とか?
ちょっと、それって都合良すぎるんじゃないですかね…。
まあ、そもそも(「幽霊の設定」記事にも書きましたが)「目に見えないが写真に写る」っていうのも、おかしな話ですけどね。しかも、仕組みのぜんぜん違うフィルムにもCCD(デジカメ)にも映るって…。フィルムなら放射線を発することで感光させるのも可能かもしれないが、CCDに絵を映すのは難しい。 念写(例えば、X線を発してフィルムを直接感光させる)のような能力があったとしても、同じ能力でCCDに絵を描けるとは思えません。デジタル情報にアクセスして、ビットを変えたりして姿を「描く」んですかね。グラフィックデザイナーだな。しかも、jpeg圧縮をかけられる前提で…。
…ちょっと脱線しました…
カメラに映っていないということは、やはり目撃者の「脳内」のみに出現したものである可能性が高いと言わざるを得ません。
ということで、私は、今回のこの事件は「幽霊ではない」と結論したいと思います。
あ、もしそれがお気に召さないのであれば、例のごとく(「幽霊の正体」参照)、「妖怪のしわざ」ってことにしても良いです。それなら百歩譲って認めましょう。
妖怪「カメラに映らない小僧」のしわざってことで。
(2015.7.21)
(2015.7.22 微追記)
(2015.9.1 一部訂正)
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コメント
CCDとフィルムの違いについて書いていますが、どちらも光子のエネルギーを受けて変化する物理特性を持っていることに変わりはありません。
反応の仕方や反応するエネルギーのレベルが違うなどの相違点はありますが、CCDも放射線に全く反応しないかといったら、そんなことはありません。
CCDが放射線のような人間の目には見えないものを可視化できる非常に分かりやすい例としては、テレビのリモコンの赤外線があります。発光部をファインダーに捉えてテレビのリモコンを操作してやると、スマホのカメラでも光っていることが確認できます。
つまり、赤外線で動画を投影する仕掛けを作ってやれば、CCDを使ったカメラには映るけれども人間の目には見えない映像というものが容易に作り出せるわけです。そこには光学的なトリックは存在しますが、デジタル信号もJPEGも全然関係ありません。
オカルト方面の人たちは大抵こういう物事の原理について全く知らないで発言してトンチンカンな説明をして突っ込まれることになるわけですが、某O槻教授を筆頭にしたオカルト批判方面の人たちにも、原理をよくわかっていないでトンチンカンなことを言ってしまって同じように突っ込まれることになってしまっている人がわりといます。
まぁ個人の楽しみのために無責任に発言しているだけ、というスタンスならそれでも構わないと思いますけど、そこに何らかの批判が含まれるなら、こういう穴はなるべく塞いでおいたほうがいいんじゃないでしょうか。
投稿: 深井 | 2015年8月31日 (月) 23時11分
コメントありがとうございます。
確かに、放射線ならCCDでも絵はかけそうですね。うかつでした…。
ちょっと訂正しました。
こういうことが言いたかったんですが、ちょっと説得力が弱くなってしまった…。もっと熟考して書くようにします…。
投稿: 適研所長 | 2015年9月 1日 (火) 22時59分