上野三碑「世界記憶遺産」登録
ちょっと前の話ですが…
群馬県の「上野三碑」が、「世界記憶遺産」に登録決定しました。
上野三碑とは…
群馬県に存在する、古代(7〜8世紀)の石碑である。
古代の日本と東アジアとの文化交流を示す、貴重な石碑群なのだそうだ。
(参考 上野三碑・高崎市)
現在高崎駅構内には、上野三碑のレプリカが飾られています。
(事情を知らないと、駅構内に巨石が3つ置かれているという異様な光景に見える…)
三碑は、どれも高崎市にあります(市町村合併で高崎が広がったので)。
以前現地に行ったことがあったので、この機会にまとめてみました。
[ 多胡碑 ]
高崎市吉井町。
多胡碑覆屋(三碑はどれも、覆屋の中に格納されてます)
多胡碑。(2017年の写真)
多胡碑は、上毛かるたでも謳われているので、私も存在は子供の頃から知っていました。
「(む)昔を語る 多胡の古碑」
711年、多胡郡が建都された記念に建てられた碑です。
ちなみに、以前(2009年)の様子。
今の方が内部が堅固?になっている。
下に「碑に触らないでください」と書いてあるので、以前は触れる状態だったかな?
今は、ガラス越しにしか見られないようになっている。
写真では分かりにくいですが、碑文が書かれてます。
碑文の文字の美しさでも評価されてます。
右下の「羊」の字が有名らしい。
[ 山上碑 ]
高崎市山名町。
山上碑覆屋。
覆屋の隣は古墳があります。
山上碑。
681年、放光寺の僧が母のために建てたもの。
(この僧は、この地方の有力豪族の子孫だと考えられている)
完全な形で残った石碑としては、日本最古のものだそうです。
碑文。
多胡碑に比べると、文字のクオリティはイマイチ?
でも、味はある。
[ 金井沢碑 ]
高崎市山名町。
金井沢碑覆屋。
金井沢碑。
726年、三家氏と名乗る豪族が、先祖供養と一族の繁栄を祈念して建てたものだそうです。
三家氏は、山上碑を建てた豪族の子孫だと考えられてます。
碑文。
「群馬」という文字が地元で使われた、もっとも古い資料だそうです。
今回の写真は、どれも「記憶遺産」に登録される前のもの。
今では現地の様子も少し変わっているかも?
( おまけ )
三碑とは別に、群馬にはこんな古碑もあります。
ここもたまたま行っていたのでおまけに掲載。
[ 塔婆 石造三層塔 ]
場所は、桐生市(旧新里村)。
覆屋。
三重塔の形の塔。
国指定重要文化財。
801年、供養塔として建てられたものだそうです。
「平安初期における地方の仏教文化史上、
重要な石造物で全国的に稀有なもの」(説明板より)
碑文。
群馬ネタもそろそろ書けなくなりそうな状況が近づいているので…
ある意味、在庫処分企画でした。
(2017.11.11)
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コメント
多胡碑に書かれている右太臣が登場するネット小説「北円堂の秘密」を知ってますか。
グーグルやスマホでヒットし、小一時間で読めます。
その1からラストまで無料です。
少し難解ですが歴史ミステリーとして面白いです。
北円堂は右太臣の祀られている古都奈良・興福寺の八角円堂です。
読めば歴史探偵の気分を味わえます。
投稿: omachi | 2017年11月25日 (土) 20時25分
知りませんでした! 興味深いですね!
確かに、古碑の文面には、はっきりわかっていない部分もあり
ミステリーの題材としても面白いかも。
私、ダン・ブラウンも大好きですし。
読んでみたいと思います。
投稿: 適研 | 2017年11月26日 (日) 23時10分