「UFO手帖」で紹介されていた「完本 黒衣伝説」(朝松健)という本を読みました。
ジョン・A・キールの「プロフェシー(モスマンの黙示)」の趣がある、と評されていたのに興味を持ち。
ちなみに「プロフェシー」は、私の心の名著の一つ。
奇想天外でムチャクチャながら、そこはかとないリアリティも感じられるところがいい。
並みのオカルト小説ではなく、この類は唯一無二かと思っていたので、「黒衣伝説」も無性に読みたくなったのでした。
(作者のPN、朝松健はアーサー・マッケンからきてるそうな。面白!)
たまたま近くの図書館に所蔵されていたのもラッキー!(借りて読みました…すまん!)
なかなか面白かったです。もちろん、ビミョーに嫌〜な読後感もあったりするんですが、それを楽しむ作品なのでヨシ。
(まあでも、プロフェシーには全然及ばないけど)
実話タッチで、オカルト的な陰謀に巻き込まれていく主人公(というか作者自身)を描いてるんですが…(そこがキールっぽい)
その様をUFO手帖的には「パラノイア」と表現していました。
パラノイアとは…
「不安や恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くものを指す。妄想性パーソナリティ障害の一種。自らを特殊な人間であると信じたり(誇大性)、隣人に攻撃を受けている、などといった異常な妄想に囚われるが、強い妄想を抱いている、という点以外では人格や職業能力面において常人と変わらない点が特徴。」(Wikipedia)
だそうです。
小説では、まさにこの通りのことが起こります。
突然、脅迫めいた電話がかかってくるとか…電車に乗ると近くにいる赤の他人が、自分に関係する話をし始めるとか…怪しい(MIBのような)男に後をつけられるとか…。
自分が何らかの組織に狙われ、常に監視されたり、追われたりしているかのような状況に陥り、それを陰謀だと思うわけです。
まあ、他人事として考えると、神経症的な思い込み…パラノイアだと思うのが普通なわけですが。
……実は、自分も同じようなことを体験しているのです。それもかなり長い間に渡って。
それが「所沢マジック」(と、うちでは呼んでいた)
かつて群馬県に住んでいた頃、県内に車で出かけると、なぜかやたらに所沢ナンバーの車に出くわすのです。
走行中に見かける、とかであれば、あっても不思議はないですが…
・自分の車の前に走る車が、ちょくちょく所沢ナンバー
・出先の駐車場に停めた時、気づくと自分の車の前や隣に所沢ナンバーが停まっている
というようなことが、頻繁に起こっていたのです。
(埼玉の話ではなく、主に群馬県での話ですからね)
あまりにもよくあるんで、一時期記録をつけてた事がありました。
(全て記録できていたわけではないですが)
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2013.0525道の駅花咲 前右と後に所沢ナンバー
帰途で、信号待ち目の前に。その他1件
0601 SAを出るところで立ちふさがる
0622 今日はいないねえ、という話をしてたら、すれちがう
0714 サファリパーク料金所で真ん前
0728 コストコ 隣の外車
0804 山梨県の道の駅 駐車場
0818 ららん藤岡 駐車したら斜め前
0825 道の駅下弍田 駐車場と、出てきたバイク
0928 くれさか蕎麦やの駐車場で隣
1130 新そば祭りで、目の前を通過
1201 下仁田で、目の前の車
2014.0517 笠間工芸の丘 隣
0518 赤城高原SA 後
(以下、たまたま自分の車の前を走っていた所沢ナンバー)




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一つの理由として考えたのは、所沢ナンバー登録車が他に比べ多いのではないか?…ということ。
で、埼玉県ナンバーを調べてみたところ…
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(当時のデータです)
所沢ナンバー 登録台数:約53万台
熊谷ナンバー 登録台数:約62万台
大宮ナンバー 登録台数:約92万台
(参考資料)
宇都宮ナンバー 登録台数:約66万台
群馬ナンバー 登録台数:約92万台
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群馬からの距離にしても、登録台数にしても、熊谷や大宮の方が出会う確率は高そうです。
やはりこれは、私が所沢の刺客に目を付けられ、狙われているとしか思えない。
いや、所沢を装った、MIBの一味の仕業に違いない!
……
なんて、思ってないですよ。
上で書いたことは、自分の認識としては嘘ではなく、主観的にはまぎれもない事実なんですが…
おそらく事実誤認、認知バイアスがかなり影響しているものだと思います。
「俺が交差点に来ると、いつも赤になる」「俺がサイコロ振ると、いつも小さい目しか出ない」みたいなもの。
所沢ナンバーだけなぜかよく気づいてしまうだけで、全部の車を数えられたら決して突出した数ではないのではないか、と。
これを事実だと思ってしまうと、それこそパラノイアの世界に誘われてしまうわけですね。
ちょっと思い当たるのが…所沢ナンバーを気にするようになった頃と前後して、あるBlogを見た記憶があるのです。
そのBlogは、各地のダムを巡ったサイトだったと思いますが、筆者が「いつも熊谷ナンバーがいる」「熊谷ナンバーの車に付けられている」と本気(多分)で書いてるんです。それが、面白いな(失礼)と思って、印象的だったんですよね。
その影響があったのかも。
うーん、黒衣伝説じゃないけど、パラノイアは本当に伝染するのかもしれませんね…。
ちなみに、所沢マジックは、今でも多少続いてます。
ただ、もう埼玉暮らしなので、所沢ナンバーがいても以前より不思議じゃなくて、あまり面白くない…。
(2020.8.11)
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